第57話 バレンタイン 

 冬休みを終えて、テスト勉強などで忙しかったので俺は甘いものが欲しいなあと思った。


 そんなことを考えながら迎えたバレンタイン。


 俺はカナタからチョコのプレゼントを期待している。


 どんなチョコをくれるんだろうなぁ。


 手作りチョコがいいなぁ。


 甘々なチョコで頼みますよ、苦いのは嫌ですからねぇ。


 ちょうどその日は休日だったので俺はカナタを家に入れる。

 

 カナタが私服で来てチョコの入った袋を渡す。


 「……はい、手作りチョコ」


 「あーんしてくれないんでちゅか(煽り顔)」

 

 「…………はい、口開けて、あーん」


 「あーん」


 「どう、美味しい?」


 「うん、うまい(キリッ)」


 「よかった」


 俺は部屋でカナタと話す。


 「カナタ」


 「ちゃんとたっぷり愛情込めてくれた?」


 「い、いわせないでよ」


 「入れてくれてないんだ」


 「……入れた、入れたから!」


 「ちゃんとラブラブきゅんきゅんダンス(意味深)してくれたの?」


 赤面してカナタは黙ってうなずく。

 

 俺はその事実を受け入れ、再びチョコを食べる。

  

 んあああああああああああ、おいじいがもぉおおおおおおおおおおおお(発狂)。

  

 萌え萌えキュンキュンダンスしている写真も妹に撮らせてある。

 

 俺はそれを見ながらチョコを食べる。


 「何見ているの………あっ」

 

 写真を見て、かぁあああと赤くなる彼女。


 「ふひひひひ、可愛いなぁ(もぐもぐ)」


 「ばかあああああああああああああ」


 「おっと何度もびんたを食らう俺じゃないぜ」

 

 ビンタしようとするカナタの腕をつかむ。


 「うぅううううううううう」


 「…………」


 「むううううううううううううう」


 むきになって頬を膨らませるカナタが可愛いなぁ。


 俺はキスをする。


 「!?」


 「ホワイトデーを楽しみにしてな(イケボ)。」


 「あっ……うん」


 「アホクサ」


 いつのまにかそばに来ていた妹がそうつぶやくのだった。


 

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