第56話 大晦日とあけおめ
早いもので春にカナタが俺の彼女になってから半年以上が経過した。
いろんなことあったなぁ……。
大晦日にはカナタの両親がうちの家に遊びに来た。
まぁ、気を使ってくれたのか、今現在俺がいるリビングにはカナタしかいない。
大晦日の特番を見ながら、年越しそばをすする。
そばってこんなうまかったっけ?
確か年越しにそばを食べるのって、好きな人とずっとそばにいられるように、だっけか。
ふと思い出したように特番のテレビ番組を見ながら笑うカナタに話しかける。
「カナタ……」
「ん、なぁに?」
「来年もよろしく」
「あ…………うん!」
にぱぁと笑うカナタ。
俺はこの笑顔を守るために生きている気がした。
夜になって除夜の鐘が鳴る。
「若い二人には気を使わないとねぇ」と母親がにやにやして、カナタと俺の寝室に連れ込んでふすまを閉める。
布団が一つしかない。
いや、こういうお膳立てはしなくても。
カナタがなんかもじもじしているし。
「それじゃあ寝るか」
「うん」
除夜の鐘が鳴り響く。
そして彼女はクリスマスのイチャイチャもあったのにも関わらず、もじもじと布団で動いており、彼女の吐息がくすぐったい。
深夜12:00になってあけましておめでとうと妹が叫ぶ。
そして、俺はさっさと寝ようとするが、カナタがいう。
「もう寝ちゃった?……ソウタ」
「いや、まだまだギリギリ」
「あのさ……」
「うん?」
「やっぱなんでもない」
そういって俺の体に自分の体をくっつける。
俺はぐっすりと眠った。
初日の出をカナタと手をつないでみて、俺は新年を迎えた。
実にすがすがしい気分の良い朝だった。
※ ※ ※
新年が明けて、晴れ着を着たカナタと一緒に縁日へ。
様々な屋台を俺も晴れ着で過ごす。
おみくじは中吉、いいかんじだ。
カナタは小吉。
俺はしょんぼりするカナタの頭を撫でて、一緒におみくじを木に結んだ。
そして初詣で願い事をした。
「カナタとこのままの関係でいられますように」
ふと、カナタの方を見ると、視線に気づいたカナタがえへへと笑う。
可愛い。
その後、初詣でいろいろと買った。
その後家に帰って豪華な料理を食べた。
お餅を伸ばしながらカナタが食べるので、俺は冗談交じりに「もーらい」といってポッキーゲームみたいなことをした。
彼女はパニックになったけど許してくれた。
その後、かるたをした。
カナタの豊かな胸を見つめながら指と指が触れ合うようにわざとかるたをする。
ほかにも羽根つきで卑猥な落書きをカナタにしたり、凧揚げをもらって、一緒にカナタと近くの公園を走った。
親からお年玉をもらって何に使うか考えた。
これからの学校生活が待ちきれない。
あぁ、もうすぐ冬休みが終わってしまうなぁ。
次の行事はヴァレンタインだな。
……楽しみだなぁ。
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