冬
日常
第53話 冬の一コマ
俺は家でまったりとしていた。
こたつの中でぬくぬくしながら、お笑い番組とか映画やアニメを見て、ポテチを食べる。
ポテチをコーラで流し込んで、デザートにアイスを食べる。
冬のアイスは夏に食べるものとは違い、濃厚なものが食べられるのが特徴だ。
今日はカナタが俺の家に来ることになっているが、のんびり待っている。
呼び鈴が鳴ると、俺はこたつから出て、ドアを開ける。
「寒いねぇ」とカナタは笑う。
俺は寒そうにする彼女を部屋に入れてこたつの場所を教える。
「あ~あったまるなぁ~」
「お菓子とかジュース飲む?」
「いただきます!」
目をキラキラさせるカナタ。
やはりこたつでのんびりするのが幸せなのは男女変わらないらしい。
ボードゲームやレトロゲーム、最新ゲームまでバイト代でそろえているので時間が過ぎるのはあっという間だった。
彼女の服装は縦セーターに青のショートパンツ、それと黒のストッキングだった。
なに、俺の性癖にドストライクの服着てくるんだよ。
いろいろなところがいろんな意味で火照る。
こたつで俺の傍に座る彼女がゲームのキャラクターがジャンプするたびにかわいい声を発する。
「うりゃ」とか「とりゃ」とか喋る様子は子供のようだ。
なんだこの可愛い生物。
カナタがみかん頂戴というので、俺はみかんをカナタのおっぱいの谷間に置く。
彼女はくすっと笑いながら「ばか」っていうのだ。
ちなみにこのばかは親愛の意味である。
萌え袖から見える指先や、後ろ姿のうなじとセーター越しでもわかるボディライン。
たまらないねぇ(にっこり)。
カナタがココアを青のマグカップとピンクのマグカップに入れて持ってきてくれる。
牛乳の入ったココアは心なしかいつも以上に甘かった。
※ ※ ※
こたつで俺の前の方に妹が眠そうにしている。
ていうか寝落ち寸前だった。
すると、妹の開脚状態の下半身がこたつの中に入っていた。
パンツが丸見えである。
うーん、お兄ちゃん将来が心配。
パンツの食い込みがすごいなぁ。
まぁ妹だから興奮しないけど、今度注意しよう。
※ ※ ※
家の近くの商店街でイルミネーションをやっているらしい。
俺は、カナタを連れて、イルミネーションが綺麗なところに行く。
ベンチに座り、二人でくっつく。
なお、カナタは俺にプレゼントがあるらしい。
いや、クリスマス用にとっておけよといったが、どうしても今日渡したいらしい。
カナタ、お前ってやつは……(感涙)。
プレゼントの中身は手編みのマフラーだった。
俺はさっそくつけるが、かなり長い。
「あっごめんね、長く作りすぎちゃったみたい」
「……いいよ、ほら」
俺はカナタの首にマフラーを巻く。
「えっ?」
「俺だけあったまってたらなんか嫌だ」
「そっか、ありがと」
「おう」
そしてカナタと俺は「冬だから」という理由でおもいっきり体を引っ付けるのである。
―――――夜景とイルミネーションがとても綺麗だった。
それ以上にあったかいねぇと優しく微笑む彼女の笑みとはーはーと息を自分の手にかけるその仕草にキュンとした。
こうして俺とカナタは幻想的なイルミネーションでロマンチックな夜を過ごしたのである。
まるで世界に自分たちだけがいるかのように感じた。
そんな贅沢な時間だった。
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