第38話 防災訓練 

 夏休みが終わり、初の行事としてあったのが、防災訓練である。


 正直、だるい。


 まぁ真面目にやらないとなぁと思った。

 

 だが、学校側が何を思ったか、全校生徒でランダムにペアを組ませた。


 そして、神様の気まぐれとやらで俺とカナタがペアになった。

 

 俺は初めて運命と神を信じた(真顔)。


 「えへへ、一緒のペアだね」


 「まぁ、訓練だしな、真面目にやるぞ」


 「あ、う、うん」


 そういってモブ教師Aが指示を出す。


 「それでは次のペアはこの中に入ってください、実際に火事になったときみたいに―――」


 俺は小学校のころからこの手の訓練はやっているし、なんなら防災の知識は教師と張り合える自信さえある。


 俺は火事の想定された施設に入る直前にひらめいた。


 これ、中に誰もいない――――――?


 いひひ(にちゃあ)。


 えぇ、俺はその後、もちろん俺は真面目にやりましたよ(目逸らし)。


 カナタが顔を真っ赤にしているが、なんでだろうなぁ、見当もつかないよ。


 「教師の目があるから、暴力を振るえまい」


 「うぅ、ううううううううううううううううう」と悶絶するカナタ。


 何度もいうけど、訓練は真面目にやったよ。訓練は。


 まぁ、煙で何も見えないから、ちょっとしたハプニングはあるかもしれないけど(確信犯)。


 ※真面目に訓練は受けましょう。


 


 

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