第30話 机の下 

 カナタと妹が談笑する。


 俺はつまらないので、彼女の太ももを撫でる。

 

 彼女は最初、びくっとしてこちらを少し睨む。


 それでもすりすりすりと触る。


 「ひゃう!?」


 「どうしたのカナタさん、大丈夫?」


 「だ、大丈夫だよ」


 「そう、ならいいけど……それでね」


 「いい加減にしないと本気で怒るよ……」小声で怒るカナタ。


 俺は名残惜しくももう三回すりすりして手を上げる。


 「わかったわかった」


 数分後、妹との会話を終えたカナタは俺の手を引いて、俺の部屋へと向かう。


 「フ―ッフ―ッ」

 

 怒る猫のような息をするカナタ。


 「お、落ち着け、あまりにも妹ばかりにかまってばかりで寂しかったんだ、この通り」


 俺はジャンピング・ド☆ゲ☆ザをする。


 「どこまでも、バカにしてぇ、うぅううううううう」


 「わかった、今日は泊っていけ、な?」


 「お泊り?」


 「そうだ」


 「う……わかった、でも変な事したら許さないんだからね」


 「わかっている、俺は妹の部屋で寝ろ。今日は雷雨らしいぞ」


 「そ……そう」


 「なんでがっかりしているんだ?」


 「な、なんでもない」


 俺は怪訝な顔をしながらも夜になるまで適当に過ごした。


 


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る