第29話 囁いてみる ②

 俺の部屋から下の階に降りる。


 さりげなくカナタの尻を揉むのも忘れない。


 触られた彼女は、むうっと頬を膨らませてあっかんべぇって舌をチロッと出す。


 ……可愛いなぁ。


 俺のかあさんのつくった手料理をおいしそうに食べるカナタ。


 俺は小声でささやく。

 

 どうやら、彼女は耳が弱点らしい。


 「俺のも食べるか?」


 「……なんで小声?……いいの?」


 くすぐったそうに身をよじりながら俺の肉をもらって再びおいしそうに食べる。


 「いっぱい食べるお前が好きだ」


 「…………うっさい、バカ」


 肉を飲み込んだ後、赤面しながらそっぽを向く。


 楽しい食事だなぁ。


 調味料へと伸ばしたカナタの手と俺の手が触れる。


 「「あっ…………」」


 二人同時に声を出す。


 そして俺とカナタは互いに違う方向を見る。


 こうして俺のうちで普通に食事しているところをみると、やっぱりカナタは俺のガールフレンドなんだと実感する。


 そして、食事を終えると、妹が、カナタにいろいろと質問する。


 むぅ、つまらん。


 …………数分後、俺は名案を思いつく。


 


 

 

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