第28話 囁いてみる ①

 「カナタって声優なんだよな」


 「うん、そうだけど、どうしたの急に?」


 今日は俺の部屋にカナタが遊びに来ている。


 「結構えっちなアニメにも出ているきがするが……」


 「そ、そうだけど、変なこと期待しないでよ」


 「そうだよなぁ~う~ん」


 「なに悩んでいるの?どうせろくでもない事だろうけど」


 俺は思案する。


 最近、カナタは体重を気にしているから、食べ物でつれないだろう。


 まぁここは直球勝負で。


 「カナタ……」


 「なぁに?」

 

 ゲームをしながら、首を傾ける彼女の耳元で俺は囁く。


 「愛してる」


 「ふぇッ!?」


 ゲームの電源を切った後、彼女はゆっくりとこちらを振り返る。


 そこには俺の顔があるわけで。


 「~~~~~~ッ」


 赤面して俺は視線をそらそうとする彼女の目線を合わせる。


 「ち、ちかぃいいい」


 「ごめん、あまりにもカナタが可愛くてな」


 「なんでいつもそういきなりなのよ、ばかぁ」


 「カナタってさぁ」


 「今度は何よ」


 「綺麗な瞳をしているよな、宝石みたいだ」


  俺とカナタは至近距離で見つめあう。


  そうとは知らず妹がノックせずに入る。


 「おにいちゃん、ごはぁん」


  そして、場の空気が凍る。


 「……お、おにいちゃんのえっち!」


 妹が、走り去る。


 「めし、食っていく?」


 「あ、うん」


 お楽しみはこれからだよなぁ(ニヤァ)。

 

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