第20話 カナタのちょっとしたしぐさ【図書室編2】

 勉強して俺がカナタの頭を撫でると、どや顔で胸を張った。


 いわゆる、ドヤ乳という奴だ。


 可愛い。

 

 頭をなでなですると、フンスと彼女は鼻から息を吐く。


 今度は去年やった問題の応用問題が出てきたので基礎を復習すべく、カナタを呼ぶと、カナタは胸の谷間を見せつけるようにこちらに近づく。


 俺はそれを凝視しながら聞いていると、彼女は視線に気づいて赤面する。


 胸を右手で隠して、無言で自分の左拳を俺の頭に振り下ろす。


 「~~~~~~~」


 「ごめんて」


 俺は黙々と勉強して彼女が背伸びするのを見てニヤニヤする。


 うへへ、ボディラインが丸見えなんじゃ……うへへ。


 彼女は本を右わきに抱える。


 「これで、次のテストもばっちりだね」


 「おう」


 俺はどさくさに紛れて彼女の尻を揉もうとするが、弾かれる。


 「ぐぬぬ」


 「いつまでも、やられてばかりじゃないですよぉ」


 にひひと笑う彼女を見た。


 なんだか、これが自然の彼女だなと思って俺は廊下を一緒に歩いた。


 これぞ青春である。


 

 

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