月並みリグレット

訥々とつとつと語る君は

ペンを片手に何を描くの

滔々と溢るインクは

排水口に流れていった


ねえ、どうしたの

辛い顔して どうしたの


もう一切のことは捨てて

現実逃避も苦になって

浮足立って空を泳いだ

こんなにも月が綺麗だ


訥々と語る君は

空を見上げて何を想うの

煌々と輝く月は

浮いた雲に呑まれていった


ねえ、どうしたいの

何も言わずに どうしたいの


もう一切のことを忘れて

現実逃避も嫌になって

いつか月を眺めて呟いた枕元

「死んでもいいわ」


ねえ、どうしたら君は笑うの


言葉とか要らないから

泣くだけで悼んでよ

泣くだけで痛いなら

笑うだけで居たいでしょ


さあ一切のことは捨てて

連日連夜の後悔も

爪先立って紙に綴った

こんなにも月が綺麗だ


もう一切のことは掠れて

読めなくなる文字なんだよ

いつか月を眺めて呟いた枕元

「      」

こんなにも月が綺麗だ

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