蕾と朔

標識に沿って歩く

花を見ないように歩く

出掛けるときに置いていった

はずの思い出だった


だけど花は落ちて

下を見るほど目に入って

だから扉開けて

君は空を見たんだろう


常識に沿って生きる

月を見ないように生きる

雨に混じって落ちていった

はずの心残りだ


だけど月は消えて

目を凝らすほど躓いて

だから私は

そうだ、月を探していたんだろう


正直になって歩く

花も月も見て歩く

出掛けるときに持って行った

確かなさよならだ

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