8/23 なんて無力だ

夕景、町並み、その輪郭

廃頽していく声

いつか歩いたあの畦道も

ずっとそのまま残っているのだろうか


また一つ影を 風を撮りゆく

首に掛けたこのカメラは

僕を縛り付ける足枷になっていないだろうか


僕はなんて無力だ 

変わりゆく情景に口が出せないままでいる

僕はなんて無力だ 何も出来やしないな

この窓枠がまるで額縁みたいだ


また一つ、二つ アルバム捲る

拙い言葉だけが零れる

廃頽の傘を差したまま

僕は何処へ行く


僕はなんて無力だ

過ぎ去る季節を眺めることしか出来ないんだ

僕はなんて無力だ 何も出来やしないな

この車窓に流れた暑い夏だった

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