Moonflower

   僕は描いている。

    筆を動かし、

キャンバスに絵の具を乗せている。


  それは夜にだけ咲く花。


 大輪の白い花が付く一年草。

    葉はあなたの形、

     脈を打つ。



  音を立てて花が開いた。

   ツルを上に伸ばし、

  咲いて、そしてしぼんだ。


  それは夜にしか咲かない花。



  僕の一年で 花は終わる。


  花の一年で 僕は生きていく。

     その脈を描く。


       敬具

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る