第4話 オレンジ色の季節

仕事だけだった俺が会社を早く終えて、妻のお見舞いに行けたのがブラッくんのおかげのような気がしたのだ。




そして、また、つたないラブソングを2曲くらい弾いた。とても、聴けたもんじゃなかったが、なんだか愛の塊になったような、愛情で胸いっぱいだった。




それから、ブラッくんは消えた。




2週間後、妻が残念がっていたが。

そして、寂しげに笑いながら、こう言った。



『あの子は愛情を思い出させてくれる子だった。どこかの家に愛を配りに行ったのかもね』



俺はまた仕事で忙しくなった。

しかし、『疲れた』とは言わなくなり、毎日ギターを弾いて歌っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

クロネコギター2 山崎 モケラ @mokera

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ