第3話
4月も下旬、そろそろGWに入る。まあ、そんなことは置いておいて俺は今日も今日とて惰眠を貪る。やはり、休み時間に寝るのは、最高だ。
「ねえねえ、相馬くん」
すぅ……。最近、いつもこうだ。休み時間に寝ようとすると毎回戸森に話しかけられ邪魔をされる。たまには、寝たいんだああああ。よし、あの天使スマイルをあまり歪ませたくはないが仕方ない今回は寝よう。
「いま、眠いからまた、後にしてくれ」
よし、戸森の顔を見ずに手でしっしっ、やることにより罪悪感なく追い払うことに成功したはずだ。
「むぅ、相馬くんのいけず、私も相馬くんの真似して寝よっと」
まあ、なんか言ってるが大丈夫だろう。
お昼休み時間終了5分前くらいに目を覚まし、横を見るとなんとまだ、戸森は寝ていた。教室には、数人まだ人が居たがどうやら、戸森の友達とかは、選択科目が違うのか起こしてくれなかったようだ。もしくは、起こされても起きなかったのか。
「おーい、戸森起きろ」
とりあえず声をかけてみたが起きなかった。
「うーむ。どうしよ」
というか、戸森の寝顔まじ可愛いな。写真は、流石に撮ったら後で殺されるかもしれないから、記憶の中にしっかり刻むことにしよう。戸森の寝顔を記憶に保存しつつ次の授業の準備をする。2、3回声をかけてみたが起きない。こうなった、つんつんしてやろう。まずは、ほっぺたをつんつんしてみる。えっ、やばい柔らかすぎなんですけど。もちもちふわふわこれ一生つんつんして居られるわ。
つんつんつんつんつんつんつんつんつんつん。
俺がほっぺに夢中になってると、パチッと目が開き、戸森と目が合う。あ、オワタ。
「ま、待て戸森。これは、違うんだ。お前が中々起きなかったから。つい……」
「ついって、なにも違わないじゃない。ていうか、起こしてくれたんだし怒らないよ。ありがと」
「お、おう」
「さっ、早く行こ授業遅れちゃう」
「誰かさんが寝坊助だったからなぁ。ニヤニヤ」
「もう、うるさいなぁ。でも、たまには、寝るのもいいものだね」
「だろ。今日は、風も最高だったしな」
「相馬くんは、寝過ぎだけどね」
「それを言われるとなんもいえねえ」
予鈴が鳴る廊下を早歩きで歩く2人。はたして、間に合うのだろうか。
君と過ごす日常 みかんを剥く男 @akuto
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