第2話

 最近、俺の身の回りの生活で少し変化が起きた。それは隣の席の人、即ち戸森が話しかけてくるようになったことだ。最初は挨拶程度だったが、1週間も経つと当たり前のように軽いスキンシップまで取ってくるようになった。なんなんだ、この子は同級生男子に気軽に触れてはならないと親から教わらなかったのか?いや、冗談だ。流石に、軽いスキンシップされた程度で俺の鋼の心が揺れ動くはずが……はずがないんだが、正直めちゃくちゃ揺れ動いてます。はい、少し近づかれるともの凄くいい匂いがして、軽いハイタッチをしようものなら、女子って肌柔らかすぎないか?ケアとかがいいのだろうか?素であれならまじやばいな。などと考えているといきなり、視界が暗転した。


「だ〜れだ?」


 このもちもち、柔らかな手は……


「と、戸森さんですよね」

「せいか〜い!おはよう相馬くん、流石よくわかったね」

「このめちゃくちゃ柔らかい肌は...じゃなくて声でわかりますよ。というか、手を早く離してください」

「むぅ、敬語、やめてくれるまで離してあげないもん」


 そういうとおもいっきり俺の顔ごと手を引き寄せてギューッとしてきた。


 と、戸森の匂いや柔らかさで全身が包まれるようなというか、後ろの立派な膨らみがあああああ。やばい、これは離れなければ昇天してしまう。


「ちょ、ちょちょちょ、わかった、わかったから、離してくれ戸森さん!色んな意味で死ぬ」

「さん付けもやめてよ。ていうか、色んな意味って何?も・し・か・し・て...」

「戸森、離してくれ」

「...ごめん、意地悪しちゃったね。でも、敬語とさん付けやっぱり無い方がうれしいな」

「わかった。そこは、俺が悪かった。今度からは、善処する」

「うん、ありがと。改めておはよう、相馬くん」


 戸森は手を出してくる。それに向けて俺は


「おはよ、戸森」


 ハイタッチで返す。こうして、今日も始まる。

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