僕は君を忘れることが 難しい

@erendada

第1話 名前も知らない

ふと考えることがある

今なにしてるかな

まだ変な口癖はあるかな

そんな風に僕は君のことを思い出す

10月

ほんとになんとも言えない季節

高校1年の僕には彼女がいない

いつものようにぼーっと学校に行く

「おはよ!」

「おはよっ」

がやがやとした会話が飛び交う中僕は1人席に着く

そして少ししかいない仲の良い友達と大好きなゲームの話をする

「彼女、まだできないのー?」と友達

「うるさいなぁ、そう言うお前は?」と僕

「俺はいますー」と友達

「どうせネットだろ?」と僕は少しいじった

「あのなぁネットだろうがなんだろうが好きになれば好きなんだよ」

〜チャイムの音〜

僕はそれがどういう意味なのかまだわからなかった

夕方午後5時

帰宅すると僕はネットの世界に生きる

僕は馬鹿にされるばかりだから友達みたいに彼女が欲しくて彼女募集と投稿した

いつまでたっても中々反応はない

またいつもの様につまらない毎日が始まる

寝て、学校行って、ゲーム、食べる

これくらいしか僕にはやることがない

10月10日

いつものようにネットに浸る

「彼女を僕にください!」

そう願ってみたりした

すると不思議なことに1件だけ投稿に反応がくる

こんな不思議なことあるだろうか

僕は慌ててその人にダイレクトメッセージを送る

「彼女になってくれますか」

そう好きでもない女の子に連絡する僕は今考えるとバカみたいだ

まるでただの出会い厨だ

「はい」

僕は目を疑う

(はい?好きでもない人に?)

理解が出来なかった

こんな僕に許可をする女の子は前代未聞だ

正直僕は好きでもない

顔も性格も名前も知らない人と付き合う

自分でも自分が分からなかった

きっと彼女も好きではないだろう


ただなぜか僕達は無感情のまま付き合うことになる

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