第6話 南船北馬
「うーん、困った。」
エリンギに借りた地図を見る限り、明らかに次の村に行くには馬車が必要だ。
「この長い砂漠地帯を越えるためにはやはり馬車が必要だな」
エリンギに持ち金を聞いたところ、130Gらしい。
本人は武器と防具しか買っていないらしい。
ヒラタケに持ち金を聞いたところ、60Gらしい。
本人は貧乏らしい。
「馬車買えないじゃん!!」
「己の肉体で砂漠地帯を越えるのはどうだ!」
というエリンギの意見がなぜか採用された。
「暑い、疲れた………」
エリンギとヒラタケはなぜか平然と歩いている。ふざけんな
「ちょ、ちょっと2人とも、ここらで休憩しません?」
お察しの通り、私はなめこをおぶっているので汗が止まらない。
「いいや、まだまだ道は長い、ゆっくりしていては夜になって全員魔物に襲われる! 日が落ちる前にできるだけ進むぞ!」
前から思ってたけど、エリンギって脳筋…………
「あ、見ろ! 小さな集落が見えてきた」
夕方、ヒラタケが発見した小さな集落に泊めてもらうことになった。
その集落の小さな教会にアリシアさんにそっくりのシスターがいた。双子って感じでもなさそう。システムにツッコむのはやめるか…………
セーブをした後、宿屋で寝た。
小さな集落だったので4人で40Gで済んだ。
翌朝、早朝に村を立ち、やっと砂漠地帯を越えることができた。
「はあ、はあ、本当に砂漠地帯越えちゃったよ…」
「あっ!」
砂漠地帯を越えると、大きな町があった。
「ここでたくさん強い武器買え……」
「…私たち持ち金全然ないじゃん!!」
4人は暗い顔をする。こんな大きい街なので宿屋も昨日の集落の値段よりはるかにかかる。
「そうだ! 闘技場で稼ぐのはどうだ!」
「却下!」
ヒラタケもエリンギも闘技場で稼ぐ気満々らしい。私はステータス低いっての!
しょうがないので闘技場に行くことになった。
私はなめこちゃんと観戦することになった。
2人とも上級職だし、普通に圧倒してるやん……
私がしばらく見ていると今度はなめこちゃんが行くことになった。
当然上級職のなめこちゃんも普通に圧倒している。
闘技場は本来魔物同士を戦わせてどっちが勝つか予想するギャンブル。
今の私たちの姿は魔物と変わらないから普通に参加できてるんだろうなぁ……
最初は観客たちに気味悪そうに見られていたが、毎回ボロ勝ちするので観客たちは皆不気味なキノコに賭けた。当然毎回大量に賭けられ観客たちには金がいく。そして勝った3人にも金がいく。
「おい! お前も参加したらどうだ!」
後ろから大声がした。
「お前もあのキノコたちの仲間なんだろ! 参加してこいよ!!」
「え、あ、ちょっ」
数人の観客に私は無理矢理闘技場に連れて行かれた。
そして強そうな魔物に囲まれる。
「あ、私死んだわ…………」
冒険の書に"転生"しました。 松乃武司 @siitaketyann
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。冒険の書に"転生"しました。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます