第3話 支離滅裂
私はこの日、村の宿屋で寝て翌日の早朝北に向かって始めることにした
翌朝
「アリシアさん、色々とありがとうございました。」
「それで、私がしいたけってどういうことなんですか?」
「…………」
「目を逸らさないで!!」
「確かに昨日宿屋の鏡を見たら椎茸になってた、なんでなんですか?」
「ええ、そんなことまでお忘れになっているとは思えなくて…」
「北に住む魔王、ドロデロスは氷の妖術を使います。住んでいる場所も猛吹雪が吹き荒れ、食料もなく飲み水は凍る始末、人間にはとてもいける場所でございません。今まで数々の若者が北の地で行方不明になっています。」
「ですので、神は『私が選んだ者を寒い北の地でも生きられる姿に変える』とおっしゃいました。そして、神に選ばれし数々の戦士たちは食べ物に姿を変えられたのです……」
「ああ、そういうことだったんですか。」
「ってなるわけねえだろおおおおお!!!!」
「おい神はどこだ! 神を出せ!!」
「わ、私に言われましても……」
「この姿は動きづらすぎるんだよ!! かえって魔王退治をやりづらくなってる!」
「で、ですがいくら手を尽くしても、魔王を倒せる方法はこれしかないと神は…」
「そ、そうだ! もしかしたら魔王を倒した後なら神は姿を変えてくれるかもしれません!」
「北東に住んでいる私の祖父が魔王の妖術を受けたらしくて、早く倒さなければ祖父は…グスッ」
「わかった! いますぐ行ってくるよ!!」
私は動きづらいその体で走った。
ちなみに、アリシアの祖父が魔王ドロデロスの妖術を受けたのか、アリシアに祖父がいたのか、真相は定かではない
「村を出たものの、どこへ行けばいいんだろう?」
「っていうか、なんで私こんなとこに居るのさ……」
「"転生"ってことでいいんだよね?」
「あのゲームのせいで転生したってこと……?」
「もう、よくわからないや、」
私は村を出てから道沿いに歩いていた。
そこで、私はあることに気がついた。
自分の腕に、大型ブレスレットのようなものがはめられているのだ。
そこにはAボタンとSTARTと書いてあるボタンがある。
「なにこれ…」
私は試しにAボタンを押した。すると目の前に黒くて長方形の何かが現れた。
その何か、には「しかしなにもおこらなかった」と白いドット文字で書かれている。私はこの光景に見覚えがある。
デラクエだ。
「なるほど、このAボタンは目の前に宝箱があるときや、何かが落ちているとき、キャラクターに話しかけるのに使うんだな、でも、アリシアさんだけは普通に話しかけてきてたな、ああ、そういえばデラクエは主人公が力尽きると教会にワープして自動的にシスターと会話が始まる仕組みだっけ、」
「イベントも自動で会話が進む形式だったよな、」
今度はSTARTを押してみる。
すると先ほどと同じように黒い何かが表示され、”それ”がデラクエのメニュー画面であることは瞬時に理解できた。
「HP 23、MP4、攻撃11、防御5、素早さ6、酷いステータス画面だ。」
レベルには14と表示されていたが、14レベルは平均的に、もっとステータスが高かったはずなので、おそらく自分の年齢が表示されているのだろう。
持ち物などの項目もあったが私が気になった項目は1つ
「なかま」と表示されている項目だ、デラクエは仲間を4人パーティーで引き連れることができるシステムだ。そのため、もしや仲間ができるのではないか、私は期待を膨らませて次の街を目指すことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます