第44話 俺の、僕による、自分のための確認




「体中痛いんやけど……」


「俺も真ん中の眼ぇ無いから……」


 起床して、また北へ向かう。


 相棒が、俺が折った脚や与えたダメージに文句を言っているので、俺もお前にやられたと返す。さっきまで頭も二つなかったし。


 まぁ俺が悪いんだけど。お互いレベルアップまでの辛抱だ。


 ――さて、狩りと相棒とのトークは『俺』に任せて《並列意思LV1》の『僕』は、己を《解析LV8》してみようか。




  《義ある多頭の邪蛇 ♂》

   ステータス

    LV 11

     HP  552/7254

     MP  233/ 313

     POW  512

     DEF  504

     SPD  458

     MAG  237

     INT  542

     LUC  ???


   状態

    空腹


   スキル

   《恐怖の邪眼LV2》

   《麻痺の邪眼LV2》

   《瞬発LV9》

   《持久LV5》

   《突貫LV4》

   《破砕牙LV3》

   《握撃LV3》

   《締め付けるLV4》

   《突き刺すLV2》

   《蛇毒牙LV2》

   《薙ぎ払うLV4》

   《隠密LV6》

   《稲妻蹴り》

   《解析LV8》

   《丸呑みLV4》

   《演算処理LV7》

   《眼力LV8》

   《威嚇LV9》

   《蜘蛛糸》

   《暗視LV7》

   《引っ掻きLV5》

   《毒爪LV4》

   《察知LV7》

   《体液操作LV2》

   《思考加速LV4》

   《並列意思LV1》

   《念話LV9》

   《空中戦LV4》

   《統率者LV4》


    パッシブSKILL

     《超直観》

     《勇者適正》

     《戦闘の天才》

     《武器技能適正》

     《魔術技能適正》

     《輝く英雄性》

     《精力絶倫》

     《第三の目》

     《観察力》

     《器用な指先》

     《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《陽の当らぬ闇》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《恵体》

     《粘着耐性LV10》

     《蜘蛛粘着耐性LV1》

     《恐怖耐性LV6》

     《毒耐性LV10》

     《蜘蛛毒耐性LV3》

     《痛覚軽減LV7》

     《苦痛耐性LV7》

     《大食LV1》

     《南の森の知恵LV2》

     《冒涜LV2》


    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》

     《消化吸収能力LV7》


    パーティスキル

     《はさみ撃ち》

     《箒とちり取り》


   称号

   《分析者》

   《抗う者》

   《切ない旅人》

   《覆う者》

   《情恐き者》

   《報いる者》

   《深き闇の者》

   《神を欺く者》

   《善悪に愛されし者》

   《武を愛する者》

   《与えられた者》

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》

   《転生者》

   《共食い》


   復讐対象設定

    なし



 ……ふむふむ。


 まず気になるのは、LV11か。


 今まではLV10で《存在進化》していたけれど、今回は違うらしい。


 高位の魔物になったことで《存在進化》に必要なレベルが上がったということだろう。


 色んな意味で、次の進化は楽しみなんだけどなぁ。



   義:《美徳》の一。人としての正しい道



は調べられたけど《美徳》自体は調べられなかった。


 相棒の《智》を考えれば、数段飛ばしで高位に進化したのは《美徳》が影響していそうだけれど。


 まぁ。色々見てみようか。


   ・


   ・


   ・



 ――感想。


 こいつ解析LV8使えねぇぇぇえ!


 低レベルの時はこれからに期待! って思ってたけど、もうレベル8だよ!? 十分に上げたじゃん!


 そろそろ! 役に立ってくれても! いいじゃん!


 見れるのは《痛覚軽減》や《破砕牙》のような、見なくてもわかったり予想がつくものばかりだった。


 気になっていた《絶対の復讐》《陽の当らぬ闇》や《切ない旅人》は、



    切ない旅人:閲覧条件を満たしていません



としか表示されない。


 攻撃スキルとか、LV5越えたあたりから、レベルアップするごとにめっちゃ実感するほど使えるようになったのに。


 まぁそれでも、



    破砕牙:牙による破砕属性の攻撃を行う。

        《噛み砕くLV10》から進化可能。



のように、物理攻撃にも属性で分けられるのだと知ることが出来たのは、収穫かな。


 相棒の《斬》、俺の《破砕》か。《噛み千切る》にも別の属性がありそうだ。


 それから、生まれ持ったスキルや称号はほとんど閲覧不可だったが、



    勇者適正:勇者に適性がある者。

         このスキルを持つ者のみ、条件を満たすことにより職業―《勇者》を選択可能。



は見ることが出来た。


 内容よりも、単語に興味を惹かれた。


「……職業。職業、《勇者》ねぇ」


 僕のステータスには、職業という項目は無い。


「職業というステータス項目自体、条件を満たさないと出現しないのか?」


 僕の《復讐対象設定》は、おそらく《絶対の復讐》か《報いる者》のスキルがあるから出現している項目だろうね。


「条件が《人間である》だったら詰むなぁ」


 それは人間と接触してみなければ、わからないだろう。


 いるよね? 人間。


 職業があって勇者がいて、人間がいないこともないでしょ。


 ま、今分かることはこんなことかな。


 まだレベルも低いし、並列意思である『僕』に出来ることは少なそう。


「おーい『俺』ー。幼女とイチャつきながら、北上している『俺』ー


――何だ。『僕』。


――視点をお返ししまーす


 了解」



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