第37話 ぅゎょぅι゛ょっょぃ




 ゴブリンの出る地域まで北上してきた。


 ここまで来ると、味も経験値も美味しくオイシクいただけたので、しばらく一人ずつで狩りまくった。蜘蛛の方も見やる。




 感想。


 ぅゎょぅι゛ょっょぃ。


《蜘蛛糸》の粘着力は増しているし《蜘蛛巣》の範囲は広く《毒液付与》の毒も強い。いやっょぃ。毒を付与された糸が一撃必殺のものになっている。それが広範囲の網状で覆いかぶさってくる。


 俺が手出しする間もなく《グリーンゴブリン》は毒だけで死ぬ。


 たまに見る手足が長い《ゴブリンエリート》や《ゴブリンリーダー》は糸の毒だけでは死ななかったが《毒牙》の一噛みで終わった。


 うん。そりゃ余裕で北上に同意するわ。


 慎重に考えてもなお余裕という確信があったのだろう。


 他にも変化はあった。


 まず、俺の《消化吸収能力LV1》が共有されたことで、捕食によってもスキルを獲得しだした。


 相棒は《ゴブリンリーダー》か《ゴブリンエリート》のどちらかが持っていたのであろう《統率者LV1》を獲得した。


《統率者》のレベルが上がったのだろう。どこからか《大蜘蛛》や《大毒蜘蛛》が数匹現れ、そいつらは勝手にゴブ達を攻撃し、ゴブの攻撃が相棒に向かいそうになると間に入って威嚇した。


 そのまま攻撃が来た時には、身を挺して盾になった。


 お陰で中盤以降は、相棒が《蜘蛛巣》で動きを止めれば後は大蜘蛛たちが勝手に死ぬまで攻撃を続けるだけで、狩りは終わった。


 おぞましく強いオトモア〇ルー気分である。


 負けてはいられない俺も、もちろん一人で狩りをした。




 感想。


 俺TUEEEE!!!!


 多頭の邪蛇ナメてた。


 この姿になったことで、また二回りくらい小さく高密度になった。それでも散々ここに来るまでに食ってきたので、一つの頭あたりの大きさは、前回ゴブリンと戦った時と同じくらいになっている。


 体長は体感で14メートル程度。狩らず食うだけだったのでレベルはまだ上がってなかったのに、食えばデカくなるものだ。


 多頭ってスゲぇよ。なんせ頭が五つある。つまりは同時に



    《破砕牙LV2》《握撃LV1》《突き刺すLV1》《蛇毒牙LV1》



が五回使える。


 見かけた瞬間に《恐怖の邪眼LV1》か《麻痺の邪眼LV1》をかける。


 ずりずりと近づいて、二体なら二つずつ頭で噛むか刺すか毒を入れる。


 少し足りないかと思ったら《頭突き》か《押し潰す》。終わり。


 すでに胃袋に入れたゴブリンたちは《解析LV7》で残りHPが見えるし《演算処理》するのも楽。


《ゴブリンエリート》や《ゴブリンリーダー》でさえ、真ん中の頭の《恐怖の邪眼LV2》で動けなくなり、そこで《破砕牙LV3》×5を入れれば、一瞬で勝負は決まった。


 5頭での攻撃で、攻撃力は単純計算で5倍。


 残念ながら《統率者LV3》まで上げても、俺に蛇は集まって来なかった。高位種族である、相棒だからできるのだろう。


 ともかく他にもいくつかのスキルは、


    《恐怖の邪眼LV2》

    《麻痺の邪眼LV2》

    《演算処理LV6》

    《眼力LV8》

    《威嚇LV8》

    《察知LV7》


まで上がった。HP計算をしていたからか、演算のスキルも上がっていた。


 いつの間にかゴブリンを倒すのも狩りではなく、食事としてできるようになった自信と達成感。それを持って、俺たち二匹とその下僕の蜘蛛たちは、さらに北上した。



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