【魔物編】魔性の蛇は邪眼の大蛇になった。

第24話《邪眼の大蛇》




 …………。


 目が覚めた。ここは……。


「ほら穴か?」


 どれだけ眠ったのかもわからない。


 身体は軽く、力は満ちているのがわかるが、腹が減った。


 寝る前に天の声が、重要なことを言っていた気がする。


 相棒も言っていた《存在進化》がどうとか。


 北へ飛んでいってからは、自分を《解析》していなかった。それどころじゃなかったが、そういえば《解析LV5》まで上がっていたのだ。


 久々に使ってみよう。《解析LV5》!




  《邪眼じゃがん大蛇おろち ♂》


   ステータス

    LV 1


     HP  200

     MP  150

     POW 120

     DEF 100

     SPD 100

     MAG  50

     INT 200

     LUC ???



   状態

    空腹


   スキル

   《邪眼LV1》NEW!

   《瞬発LV5》

   《突進LV8》

   《噛み砕くLV1》

   《噛み千切るLV5》

   《巻きつきLV5》

   《毒牙LV6》

   《薙ぎ払うLV1》

   《隠密LV4》

   《三角蹴り》

   《解析LV5》

   《丸呑みLV3》

   《計算》

   《眼力LV7》

   《威嚇LV6》

   《暗視LV1》

   《引っ掻きLV2》

   《察知LV2》

   《体液操作LV2》

   《念話LV5》



    パッシブSKILL

     《先見の明》

     《勇者適正》

     《戦闘の天才》

     《武器技能適正》

     《魔術技能適正》

     《輝く英雄性》

     《精力絶倫》

     《第三の目》

     《観察力》

     《器用な指先》

     《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《陽の当らぬ闇》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《恵体》

     《粘着耐性LV2》

     《恐怖耐性LV4》

     《毒耐性LV2》

     《痛覚軽減LV5》

     《苦痛耐性LV5》



    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》

     《消化吸収能力LV5》


    パーティスキル

     《はさみ撃ち》




   称号

   《分析者》

   《抗う者》

   《切ない旅人》

   《覆う者》

   《憎む者》

   《復讐者》

   《深き闇の者》

   《神を欺く者》

   《善悪に愛されし者》

   《武を愛する者》

   《与えられた者》

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》

   《転生者》

   《共食い》



   復讐対象設定

    《?ムカデ?》

      ―復讐期間まで、あと20時間です―





「おっほ!」


 何かキモい声が漏れた。俺の声である。


「『激弱』じゃなくなってるー!」


 ついはしゃいでしまう。今まで公的に『激弱』いと認められていたような気になっていたのだ。


 しかし油断してはいけない。昨日のゴブリンとの苦戦は、調子に乗った結果だろう。


 そういえば姿も変わっている。鏡なんてないが《第三の目》と舌で、おおよその姿は把握できる。


 体長は体感で3メートルくらいだろうか。太さは50センチ強。昨晩に比べて縮んでいる。


 ただ、肉は高密度に詰まっているのを感じる。間違いなく力強く、今までより素早く動くことができる。


 頭に角(?)のようなものもある。前を向いてはおらず後ろに向かって尖っているので、刺すような攻撃には使えなさそうだ。


 そもそも、そんなに硬くなさそう。


 新たなスキルである《邪眼LV1》も気になるところだ。


 それはともかく、相棒はどこだろう。新しい姿を自慢したいし、おそらく《存在進化》を経験していたから、抗いようもない眠気が来ているのを知っていて、ここまで運んできてくれたのだろう。


 その礼を言わなければ。


 穴は蜘蛛の巣で塞がっていた。


「……?」


 よく見れば、ところどころ補修の跡がある。蜘蛛の巣が破けたところに、また蜘蛛の巣を張りなおしたような。


 嫌な予感がした。蜘蛛の巣が一部途切れかけているところから、頭を突っ込む。


「くっ」


 さすがは相棒の《蜘蛛糸》は、粘着力を増していた。《粘着耐性LV2》でも簡単に抜けきれない。パワーで身を捩る。


 ふと思い突き、巣に《毒牙LV6》を使ってみると、溶けた。このスキルもレベルが上がっている。


 開けた空間から、ずりずりと這い出して《第三の目》と舌、《察知LV2》で周囲を見る。


 範囲内に相棒らしき姿があった。


 いつの間にか上がっていた《念話LV5》が届く距離まで近づくと、そこには血塗れの蜘蛛がいた。



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