第8話 余計なやり取りはすべて排除されている ――アニメ『戦闘員、派遣します!』 第2話「商売仇を蹂躙せよ」

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本話には、アニメ『戦闘員、派遣します!』の第2話「商売仇を蹂躙せよ」の内容を含みます。

未視聴の方はお気をつけいただければと思います (´・ω・)

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 1話があまりに面白すぎたために、ハードルが上がっていたと思う。

 凄まじいスピード感で進んでいくストーリーに心が奪われたのだから当然だ。


 だから2話はどうやっても1話と比較してしまうだろうし、イマイチだったかもなんて感想を言ってしまうかもしれないって考えてたわけだ。

 だが蓋を開けてみると、1話とは違うまた別の面白さもあって、何も心配することがなかったのだ。


「分かる。この作品は創作でのお決まりパターンを、余計なやり取りをすべて排除して行っている。それ故に多少説明口調になるキャラクターが多いのが特徴」


 結菜はそう分析するが、言われてみると確かにそうだった。というか、主人公の六号自体が自分の欲望、すなわちテンプレを口に出して最短で実行する調子の良い男だったのである。

 新しい女性キャラが登場する→男性を誘うような口ぶりをする→主人公が露骨な誘いを断り逆に女性に対して優位に立つ行動を取る……この流れはテンプレパターンではあるが、登場から主人公の最後の行動までが洗練されていて気づいたときにはもう終わっている、そんな清々しさがあるぐらいなのだ。


 基本的には適当に自分の欲望のために動いているように見えるのだが、細かなところでは筋を通そうとする男である、というテンプレ的な主人公像を端的に描くのも素晴らしい。

 クリムが死んだ時は本気で怒る、生き返ると分かったときもちゃんとそばで待っててあげられる……変なエクスキューズを挟むことなくそれらがさっぱりと描かれるのが気持ちよかったのである。


「露骨なエロシーンさえも清々しく見えるのだから面白い。1つ1つのイベントが緻密に計算されていて無駄がない。緩急の付け方も良くて、車椅子で暴走し始めるシーンは想像できなかった」


 1話は作品の最初の掴みだからスピード感重視は当然だった。2話は1話とスピード感だけ比較すればそれほどでもなかったけれど、その分、この作品の面白さが改めて際立ったのではと思う。


 なお総合的なところは置いておいて、スノウの相変わらずの欲深さのブレなさ、そして死んだクリムを荷車に乗せるときにかぼちゃと一緒に積んだシーン、これはマジで爆笑した。改めてこの作品はギャグアニメなんだなと思ったのである。



 ということで恒例の、俺たち兄妹の評価を載せて終わろう。次回もよろしく。


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評価:★★★★☆

理由:

なんだかんだ1つ1つのシーンが面白くて笑えるのが良い!

ストレスを全然感じないから助かる!

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評価:★★★★☆

理由:

中だるみという言葉からは一番縁遠い。

とにかく全てが計算されているかのように進んでいくことが痛快。

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