23:メスガキは決闘に挑む
そして勝負の日。チャルストーンの西門。アタシと聖女ちゃんは準備を整えてそこにいた。約束の時間まではまだ間があり、天騎士おにーさんはまだ来ていない。
約束の時間まではまだもう少し時間がある。アタシは最終確認も含めて、ステータスを見る。
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★アサギリ・トーカ
ジョブ:遊び人/遊び人
Lv:51
HP:69/69
MP:52/52
筋力:18(+18)
耐久:13
魔力:15(+15)
抵抗:12
敏捷:26(+20)
幸運:59
★装備
スネークダガー
プリスティンクロース
★ジョブスキル(スキルポイント:70)
【笑う】:Lv6
【着る】:Lv6
【買う】:Lv4
【遊ぶ】:Lv4
【食う】:Lv4
サブジョブ
【笑う】:Lv2
【食う】:Lv2
★アビリティ
【笑顔の交渉】:常時発動
【微笑み返し】:MP1消費
【笑裏蔵刀】:MP10消費
【早着替え】:常時発動
【カワイイは正義】:MP3消費
【ドレス装備】:常時発動
【ツケといて】:常時発動
【デリバリー】:MP5消費
【パリピ!】:MP3消費
【ハロウィンナイト】:MP20消費
【スパイス!】:常時発動
【ピクニック】:MP10消費
サブジョブ
【笑顔の交渉】:常時発動
【スパイス!】:常時発動
★トロフィー
『第二の力』
『格上殺し』『勇猛果敢』『不可能を覆す者』
『初めてのお友達』『大切な友達』
『英雄の第一歩』『駆け出し英雄』『英雄の才覚』
『ボスキラー:バンディット・ヘッド』『ボスキラー:ガルフェザリガニ』『ボスキラー:オーガキング』『単独撃破』
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★イザヨイ・コトネ
ジョブ:聖女/ウィッチ
Lv:55
HP:76/76
MP:136/136
筋力:11
耐久:19(+20)
魔力:57+20(+45)
抵抗:51(+30)
敏捷:20
幸運:9
★装備
聖杭シュペイン
高位聖職衣
★ジョブスキル(スキルポイント:34)
【聖歌】:Lv6
【魔力増加】:Lv4
【聖人】:Lv4
【聖武器】:Lv2
サブジョブ
【従僕】:Lv2
★アビリティ
【深い慈愛】:MP1/秒
【太陽は東から】:MP3/秒
【人に善意あれ】:MP5/秒
【聖体】:MP5消費
【威光】:MP15消費
【聖武装】:常時発動。
サブジョブ
【使い魔】:常時発動。
★トロフィー
『第二の力』
『格上殺し』『勇猛果敢』『不可能を覆す者』
『初めてのお友達』
『英雄の第一歩』『駆け出し英雄』
『優しき者』
『ボスキラー:オーガキング』
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比べるとやっぱりHPやMPは聖女ちゃんに劣る。ついでに言うと聖女ちゃんは使い魔もいるので、その分のHPもあるのだ。すごいよねー。
多少の寄り道こそあったけど、アタシのレベリングはおおむね予定通りだ。【遊ぶ】はもう少し後でとる予定だったけど、この段階でプリスティンクロースが入ったから、むしろ近道だ。あとは【笑う】のレベルを8にして、【笑う門には福】を取ってレア狩りを開始しなくちゃね。
そしてステータスついでに、ライトニングバスターのほうも見てみる。残念ながら、しょうもないコメントが増えただけで買い手がつく気配はない。まあこれは仕方ないかとあきらめた。
「ま、何とかなるでしょ。聖杭シュペインはあるんだし、聖武器足止めタンクのお披露目ときましょう」
「ええ。基本的な動きは理解してます。トーカさんにはどんな相手も近づけさせません。
ところでお金が入ってたらどうする予定でしたんです? 聖衣を買ったとしてもお金は余りますし」
「アタシも武器欲しかったのよ。アンタと同じアビリティで装備できるヤツ。昨日買えるかどうか見に行ったたけど、やっぱ無理っぽいし」
「え、昨日武器に寄りましたっけ? とげまるを確保しに行った後ですよね」
「武器屋じゃないわよ。ほら『アリス』って名前の店で――」
「待たせたな、遊び人トーカ!」
門の上に立ち、大声で叫ぶ声。見るとそこには三日前に見た暑苦しい天騎士おにーさんがいた。そのまま飛び降りた。結構な高さがあるんだけど、そんなの気にならないとばかりに着地してこちらを指さす。
……んー、<浮遊>系のバフ? 確かに祝福者にそう言うスキルあった気がする。
「逃亡せずにいたことは称賛に値する! 少なくともこそこそ逃げるような小物ではなかったということだな。
だがぁ、勝負の手はぬかない! 正々堂々と貴様を打ち砕き、わが正義を示す! そして卑劣なる戦いを改めてもらう!」
「ええ、いいわ。その代わりおにーさんが負けたらそういうのは言いっこなし。人のスタイルに口出し禁止ね」
「うむ! 約束しよう!」
アタシの言葉にうなずく天騎士おにーさん。
「勝負の再確認だ! 対戦するのはこの俺と遊び人トーカ! どちらかの戦闘不能をもって決着とする!
なお遊び人トーカには協力者として聖女コトネがつくことを認める!」
「OK。戦闘不能の定義はHPが0になった、でいいわよね」
アタシの言葉にうなずく天騎士おにーさん。どういう形であれ、相手のHPを削りきったものが勝ち。この形式は<フルムーンケイオス>の決闘方針と変わらない。
<フルムーンケイオス>にPK……プレイヤー同士で殴りあう仕様はない。だけどパーティもしくはギルドメンバー同士が互いの了承を得れば攻撃してHPバーを削ることができる。この場合、HPが0になっても死なない形だ。
まあ、そんなことしなくてもおにーさんが切りかかればアタシは痛いし、アタシが攻撃してもおにーさんに傷を与えられる。<フルムーンケイオス>ではなく、現実の世界なのだから当然なんだけど。
「まあ、それはいいんだけど」
アタシは西門にいる人達をジト目で見る。チャルストーンの街の人だ。この決闘を見るためにやってきたらしい。
「なんでこんなにギャラリーがいるのよ」
それもたくさん。ざっと数えても100人は下らないだろう。中にはお弁当を売っている売り子もいる。どう見ても前もってここでやると知っていた感じだ。
「俺が皆に知らせた! 正義の戦いここにありと!」
「アンタか。アンタが原因か」
「無論だ! 卑劣かつ怠惰なる遊び人ではなく、公明正大で正道を歩む騎士のほうが正しいとみなに知らしめるために!」
自分が絶対に負けないと信じてるおにーさん。アタシに勝った時に言うセリフも、しっかり考えているんだろう。
「町の人たちに見られて戦うのは、少し恥ずかしいです」
「何言ってんのよ。闘技場はこの比じゃなかったじゃない」
「あの時は皇子に洗脳されてましたし……」
町の人たちの視線を意識する聖女ちゃん。アタシはこれぐらいどうでもないけど、聖女ちゃんはそうでもないらしい。
「気にしたら負けよ。自分以外はただ騒いでるだけのざこだって思えばいいわ」
「それはさすがに酷いと思います」
「なによぅ。緊張して何もできずに負けた、とかはごめんだからね。
大体これぐらいで恥ずかしがってたらキリないわよ。この後勝ってもっと目立つんだから」
言って天騎士おにーさんを見るアタシ。
「あり得ぬ! 正義が負けることなどないのだ!」
「じゃあ勝ったらアタシが正義ってことね。そんなの要らないけど」
「正しき道を進むこの俺が負ければ、世界は怠惰と闇に包まれる! そのようなことなどあってはならぬのだぁ!」
言って抜刀する天騎士おにーさん。聖剣コルバー。聖属性両手剣の中でもレア中のレア。おそらくあのぼんくら皇子に与えられたんだろう。
「勝負、開始だ!」
戦闘開始の号令を叫ぶ天騎士おにーさん。
んじゃまあ、やりますか。
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