16:メスガキは捕らわれる
<アサギリ・トーカ、レベルアップ!>
<アサギリ・トーカ、レベルアップ!>
<アサギリ・トーカ、レベルアップ!>
<条件達成! トロフィー:『ボスキラー』を獲得しました。スキルポイントを会得しました>
ガルフェザリガニを倒したことで、一気にレベルアップ! そして称号も得られたわ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
★アサギリ・トーカ
ジョブ:遊び人
Lv:26
HP:35(-20)/35(-20)
MP:25/25
筋力:10(+3)
耐久:6
魔力:6
抵抗:6
敏捷:11(+5)
幸運:33(+5)
★装備
スネークダガー
バニースーツ
★ジョブスキル(スキルポイント:50)
【笑う】:Lv6
【着る】:Lv4
【買う】:Lv4
★アビリティ
【笑顔の交渉】:常時発動
【微笑み返し】:MP1消費
【笑裏蔵刀】:MP10消費
【早着替え】:常時発動
【カワイイは正義】:MP3消費
【ツケといて】:常時発動。
【デリバリー】:MP5消費
★トロフィー
『格上殺し』『勇猛果敢』『不可能を覆す者』
『英雄の第一歩』『駆け出し英雄』
『ボスキラー:バンディット・ヘッド』『ボスキラー:ガルフェザリガニ』『単独撃破』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
レベル46のボスを倒しただけあって、一気に4レベルアップ!
HPの所にマイナス補正がかかっているのは、【ツケといて】の効果だ。HPを担保に借金している状態。その借金を返さないとHPは下がったままなの。
借金状態だと【ツケといて】でさらに借金することはできないので、とっとと
(レベルアップしてHPが一桁超えてなかったら、もう少し遊ぶつもりだったんだけどなぁ)
HPが一桁ならバニースーツの効果で高確率クリティカル&クリティカルダメージ3倍というフィーバー状態だ。いろいろ無双できるんだけど、仕方ないかぁ。
そしてトロフィーもゲット!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
★トロフィー
『ボスキラー:ガルフェザリガニ』:ボスキャラクター『ガルフェザリガニ』を倒した者に与えられるトロフィー。国の信頼を得る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ボスを倒したキャラに与えられるトロフィーね。レベルも高いボスなので、その分スキルポイントも15点と山賊ボスより多い。
これとスキル六個で貰える『駆け出し英雄』を合わせて、トロフィーでスキルポイント30点。レベルアップで20点。合計50ポイントのスキルポイントよ。
「……50点かぁ。あと5点あればなぁ……」
はぁ、とため息をつくアタシ。
本当は、【着る】を6レベルにあげたかったの。そうしたらアビリティ【ドレス装備】が獲得できた。その名の通り、防具のドレスを装備できる常時発動系。そのドレスと【早着替え】で戦術が広がったのに……。
「ま、ないものはない。ドロップ品行ってみよー」
ガルフェザリガニが持っていたドロップ品を確認する。殻、ザリガニの肉、宝石類いくつか。うんうん、ふつーだった。
……冷静に考えたら、殻や肉はザリガニ本人(?)のものだけど、宝石類はザリガニが人を襲って、財布ごと飲み込んで消化しきれなかったって事だから……うん、あまり考えないでおこう!
換金すれば【ツケといて】での借金を返したうえで、かなりの儲けになる。回復アイテム消費量を踏まえたうえで、黒字確定ね。
「トーカ殿……」
頭の中でそんなことを考えてると、四男オジサンが話かけてきた。
「確かに名のある魔物を討たせていただいた。その証も確かに刻まれた」
ゲーム的に言えば『ボスを倒してそのトロフィーをゲットできた』である。そりゃそうよ。そうできるように頭捻ったんだもん。
少しトラブルが遭ったけど、結果はトーカの思ってた通りね。
「これで吾輩は大手を振って家に戻ることができる。いや、それだけではない。自分に対して、自信がついた」
ドン、と胸に手を当て膝を曲げるオジサン。
まるで忠誠を誓う騎士のような――
「これまでの吾輩は、ご先祖の戦いを模倣するだけの存在だった。家の為、民の為と言いながら吾輩に合わない戦い方だった。それで結果が伴わなくとも、家の名誉を守れれば皆納得するものだと思っていた。
だが、トーカ殿に会って目覚めさせられた。大事なのは結果なのだと。見た目や格式といったものではなく、思考し、行動し、そして導き出した結果。そうして結果を出して、我ら貴族は民を守ったと胸を張れるのだと」
四男オジサンの目には、確かな自信が宿っていた。漫画とかで『キラキラキラァ!』って輝いていそうな、そんな目。
はっきりいって、鎧着たむさくるしいオジサンには似合わない。
「トーカ殿は厳しい口調で古き慣習に拘る吾輩を叱咤してくれた。あの厳しい言葉が無ければ、吾輩は未だに風習に捕らわれていただろう。
まだ幼き小娘如きに大人の何が分かるかと侮っていた吾輩を、見事分からせてくれたことに感謝する……!」
あー、えーと、アタシ何言ったっけ?
オジサンに何言ったかって全然覚えてないのよね。思うままに馬鹿にしてただけなんだけど。
「そ、そーね。わかればいいのよ」
とりあえずここはこういっておこう。腕を組んで、うんうんと頷いておく。
んー。まあ当人が喜んでるんだし、もう少し遊んであげよっと。
「でも忘れないでよね。オジサンはトーカが世話したからここまで戦えたのよ。一人で何でもできるだなんて勘違いして敵に突っ込むとかしたら、すぐに死んじゃうんだから。【投げる】しかできないざーこおじさんは身の程をわきまえるのね」
「成程、今回の成功は吾輩一人の成果ではなく、協力の結果。己のできる事をわきまえ、慢心するなと言う事ですな。努々理解致しました。
吾輩の戦術が通じるか否か。それを見極めて戦いに挑むこととしましょう」
「え? あ、うん。そーね。そうそう」
あ、あれ? なんか、反応が違うくない? もうすこしぐぬぬー、っていう反応を期待してたんだけど。なんか肩透かし。まあいいや。
「じゃあ帰ろうか。もう用事ないし」
「はい。では――」
言って『トンボガエリ』を使い、オルストシュタインに帰還する。
先ずはドロップ品の換金ね。商人ギルドにれっつごー。
貴族におびえるあの受付員をどうやって苛めようか、そんなことを考えながら扉を開けて、
「アサギリ・トーカ、貴様を逮捕する!」
「ヘルトリング様はこちらに。ご家族がお待ちです」
中に入ったとたんに複数の兵士に取り押さえられた。乱暴に手足を縛られ、身動きが取れなくなる。
「こ、こらぁ! 離しなさい! アタシが何したっていうのよ!」
「ガルフェザリガニを倒したなどと、うそをついた罰だ!」
「はああ? ウソじゃないわよ! そこのオジサンが証人――」
「黙れ! 貴様がヘルトリング様に対し暴言を吐いていたと複数の証言がある。なにかしらの脅迫を行っていたに違いない!」
「貴族に対する不敬罪も追加だ!」
言いがかりをつけてくる兵士の一人が、アタシ何かを押し当てる。
「あう……っ」
そこから衝撃が走り、アタシは意識を失った……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます