クズジョブの遊び人に転生したメスガキは、ゲーム知識で成り上がる！ ～あは、こんなことも知らなかっただなんて、この世界のヒトたち頭悪いんじゃない？ ざこざーこ。

６：メスガキは街に帰る

＜アサギリ・トーカ、レベルアップ！＞

＜アサギリ・トーカ、レベルアップ！＞

＜アサギリ・トーカ、レベルアップ！＞

＜条件達成！　トロフィー：『不可能を覆す者』を獲得しました。スキルポイントを会得しました＞

＜条件達成！　トロフィー：『ボスキラー』を獲得しました。スキルポイントを会得しました＞

＜条件達成！　トロフィー：『単独撃破』を獲得しました。スキルポイントを会得しました＞

　バンディット・ヘッドをたおしたことで、一気にレベルが上がったわ。

　ほい、すてーたす。目の前にパパッ、とウィンドウが開く。

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★アサギリ・トーカ

ジョブ：遊び人

Ｌｖ：２２　

ＨＰ：２９／２９

ＭＰ：２１／２１

筋力：８（＋１）

耐久：５（＋１）

魔力：４

抵抗：６

敏捷：９

幸運：２７（＋３）

★装備

ナイフ

派手な服

★ジョブスキル（スキルポイント：５０）

【笑う】：Ｌｖ６

【着る】：Ｌｖ４

★アビリティ

【笑顔の交渉】：常時発動

【微笑み返し】：ＭＰ１消費

【笑裏蔵刀】：ＭＰ１０消費

【早着替え】：常時発動

【カワイイは正義】：ＭＰ３消費

★トロフィー

『格上殺し』『勇猛果敢』『不可能を覆す者』

『英雄の第一歩』

『ボスキラー：バンディット・ヘッド』『単独撃破』

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　うんうん。いい感じ。ＭＰも２０を超えて、【笑裏蔵刀】が二回出来るようになったわ。ちなみに魔力特化型の魔法使い系だと、２０レベルを超えるあたりでＭＰ５０は余裕で超えてるのよね……。

　うん、そこはそういうもんだし仕方ないわ。遊び人だし、幸運以外の能力値は諦めないと。

　レベルも一気に１０上がったわ。３４レベル相手っていうレベル差もあるけど、ボス補正による大量の経験点が大きい。超ほくほく。

　一応言っておくと、ここまでうまく勝てたのは単に相性。＜困惑＞が効きやすい山賊だからこそできた遊び人専用のレベリング。真っ当に山賊ボスを倒すなら、４人パーティで平均レベル２５は欲しい。

　その成果もあって、トロフィーも格別だ。

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★トロフィー

『不可能を覆す者』：自分より２０以上レベルが上のモンスターを倒した者に与えられるトロフィー。自分よりレベルが上の相手に対するダメージが常時上昇。

『ボスキラー：バンディット・ヘッド』：ボスキャラクター『バンディット・ヘッド』を倒した者に与えられるトロフィー。国の信頼を得る。

『単独撃破』：単独でボスキャラクターを撃破した者に与えられるトロフィー。ボスキャラに対するダメージが常時上昇。

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『不可能を覆す者』は格上殺しの最上位。『勇猛果敢』と相まって、レベルが上の相手にかなりのダメージが与えられる。

＜フルムーンケイオス＞で効率よくレベルを上げようとするなら、レベルが上の敵を狙うのがジョーシキ。同レベル、もしくは自分より下のレベルのモンスターを倒しても経験値に補正がかかり、経験点はあまり入らないの。

　なのでこの系列の称号は上を目指すならほぼ必須。その最上位を得たわけね。

『ボスキラー』系はボスを倒すごとにもらえる称号だ。パーティを組んでいたら全員貰えるので、この所得はそれほど難しくはない。ボーナスも国の信頼を得ると言った、言ってしまえばただのイベントフラグ。

　で、アタシはザンネン皇子に投げ捨てられたので、その手のイベントをこなすつもりはない。無用のトロフィーだ。でもまあ、スキルポイントは貰っておくわ。

『単独撃破』は、ボスキャラクターに対するダメージ補正がもらえる。ボスにダメージ８５％以上を与えたキャラがもらえるレアトロフィー。これがあるとないとで、ボス狩りの効率が大違い。

　いつかは取る予定だったけど、まさかこんなに早く取れるとは思わなかったわ。

　そしてスキルポイント！　レベルが１０上がったので５０点。『不可能を覆す者』で３０点。『ボスキラー』で１０点。『単独撃破』で５０点！

　１４０点とかすっごいわー。どれぐらいかって言うと、遊び人の係数５のジョブだと、０から７まで一気に上げられるぐらい。【笑い】のレベル６も、一気に９まで上げられる。

「まあ、今のままだと【笑う】の８レベルアビリティは覚えられないんだけど」

　６レベル以上のアビリティは『英雄の第一歩』等のアビリティＸ個系トロフィーを取らないと習得できないのだ。面倒だけど、特化型を簡単に作らせない為の運営の方針とかなんとか？　【笑裏蔵刀】も『英雄の第一歩』を取れたから解放されたのだ。

　基本的にこの制限にかかるのは難しい。序盤でここまで一気にスキルポイントを稼げるなんて、想定外でしょうしね。レベルやジョブが上がりやすい遊び人だからこその結果だ。やっぱり遊び人サイコー！

「さ、ドロップ品ドロップ品」

　ガサゴソと山賊の持っている袋を漁る。人を殺して物を奪うとか、山賊そのものだけどこれも勝者の特権。ゲームだし、当たり前の行為。そこを気にするモラルなんてアタシにはない。そもそもあったら山賊のテリトリーになんかわざわざ足を運ばない。

　……あ、襲い掛かってきたのは向こうからっていうのもあるか。うん、今度からはそう言おう。か弱い正義ムーブは大事だもんね。

「お約束の盗品。財布の中には１２０ガマぐらい。うーん……ふつー」

　ドロップ品を見て、落胆するアタシ。ちなみに『ガマ』はこのゲームのお金の単位。多分ガンマのもじりかな？　極小単位で使われるとか何とか。

　オジサンプレイヤーはがま口財布とか言ってたけど……なにそれって感じだった。

「せめてボスさんはいいモノ持っててねー」

　レアアイテムとまではいわないけど、それなりにいいモノが欲しいなー。

「うん、こんなもんかな。って……」

　山賊オジサンよりはお金持ちだったけど、その程度。（生理的に）装備できそうのない皮鎧とかは店に売るとして。

　一つだけ、役立ちそうな武器をドロップした。

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★アイテム

アイテム名：スネークダガー

属性：ナイフ

装備条件：ジョブＬｖ５以上

筋力：＋３　確率で＜毒＞のバッドステータスがかかる。

解説：蛇のように歪曲したダガー。蛇毒が塗られている。

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＜毒＞は時間ごとにＨＰを減らすバッドステータスね。この手のＲＰＧだとお約束のバッドステータス。副次効果で敏捷を１割減少させるわ。便利便利。

「それじゃ、そろそろ帰りましょうか。オジサンと遊ぶのも飽きちゃったし」

　これ以上ここにいても、経験値効率はあまりよくないのよね。

　山賊オジサンはレベル１２。アタシよりレベルが低い相手なので、経験点にマイナス補正がかかる。

　山賊ボスが出て来れば多少はレベルも上がるだろうけど、次にボスが沸くのはゲーム内時間だと１２時間後。それがこの世界だとどれぐらいになるかわからない。ゲーム通りなのかもしれないし、それとも死んだからもう蘇らないかもしれない。

（＜フルムーンケイオス＞の世界ってだけで、ゲームと全く同じなのかどうか全然わかんないもんね。お腹もすいてきたし）

　少なくとも＜フルムーンケイオス＞には空腹なんて状態はなかった。回復アイテムは食べ物とかが多かったけど。

　全くゲームと同じ、なんて思わない方がいいのかも。

「それじゃ、ばいばーい」

　帰還用に買っておいた『トンボガエリ』を使い、オルストシュタインへと帰還した。