第21話 夢か現か

さらさらと髪を撫でられる感触がした。気持ちいい。懐かしい。


「すまない」


意識の遠くから声が聞こえた。


「可愛さ余って憎さ百倍になってしまった。周りが見えなくなっていた。愚かとしか言いようがない」


誰かが泣いている。


「疑わなければ殺される。そんなのがまだ染み付いていたんだな。自分の目を曇らせるほど」


貴方も、色んなことがあったんだね。ごめんね。


「なぜ謝る…」


これからゆっくり話していこう。お互いの空白の五年間を。

ね、モードレッド。



再び闇に沈んだ。

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