電車
私は、いま千円札を握りしめている。
この千円札には彼の思いが詰まっているのだろうと優しさを噛み締めている。
死体の前に立っていた、彼は私を居候させてくれている。ここまでいろんな男の家に転がり込んでたが、あんなに優しくしてくれる人はいなかった。大体の男は薬やアルコールにどっぷりと使っていて、体を求めてくる。
そして何より部屋が汚い。
でも、彼の家は整っていて体を求めるどころか酒も飲まずに寝ろと言ってくれた。
ガタンゴトンガタンゴトンと揺れる社内で「おはよー!久しぶりー!」
と、明るい声をかけられた。その子は小林千恵、クラスでも一番の人気者だ。
「おはよー」
「久しぶりやな!ノート後で見せてあげるー」と、彼女は、とっても優しい。そんな彼女がクラス1の人気者なのに私のとこまで話しかけに来てくれるのはとても嬉しい。
「今度さー、遊びに行かない?」と顔を私の顔の前まで覗き込んで言う。可愛い。
「行く行く!」と明るく返事をする。
そんな日々の中に少しだけ彼のことが気になってしまう。
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