「はぁ〜、よく寝れたわ。」

彼女はのんきな声を発している。まぁ、よく寝れたのならそれで結構なのだがこいつと一緒に暮らすとなると少し気が重いような重くないようなだ。

「飯にするぞ」

俺はぶっきらぼうに言ってしまう。流石に会って二日目に距離をつかめるほど陽子ゃなわけでもない。

「はいはーい!」

彼女は昨日の格好のまま、起き上がる。

「着替えはないのかお前」

「あるよ、そのリュックの中に。」

「じゃあ、まず着替えろ。朝飯はそれからだ。脱衣所は廊下の一番近い左手の部屋だ。」と、廊下を指差しながら言う。

「じゃあ、着替えて覗きに来るなよ?」

彼女は可愛い顔で笑いながら言う。

「お前の裸を見るくらいなら、飯を食うわ」

彼女はちぇっ、面白くないな〜とか言いながら廊下へ行く。

俺は立ち上がり、キッチンの鍋の火を入れる。冷めた味噌汁を少し温めながら、スマホを見る。そして俺は配膳を済ませ、ホット一息をつく。そうこうしているうちに、彼女が出てくる。 彼女は何故か私服を着ている。

まぁ、話したいことはやまやまなのだがとりあえず机に座らせ手を合わせる。

「いただきます。」と俺が言うと、彼女が「いただきま~す。」と言う。

少し箸を進めたところで彼女に

「お前、幾つだ?」

「十七歳。」

「高校は?」

「休学中、だから2ヶ月くらい休んでる。その間はダラダラいろんな男の家に転がり込んでた。」

「なるほどな〜」

食卓の空気が少し重くなる。

「よし、じゃあここに居候するならお前は学校へ行け。」

彼女はポカンと言うのがぴったりな表情を浮かべていた。

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