BABEL
ばらばらだったピースが
似た柄のものから徐々に揃っていく
特徴のあるコーナーから、端のほうから
はっきり文字を書いてくれているピース
どっちを向いているのかはっきりしていて
いいよね、
助かる
白い ただ白いだけのピース
何度も 何度も確かめて
繰り返し 繰り返し試して
失敗を繰り返して ようやく
だからはまったときには
少し嬉しい、
嬉しいよ
心のジグゾーパズルが
やがて完成に近づいていく
でも
しょせんジグゾーパズルは
他人が描いた絵でしかなくて
自分で作ったつもりでも
他人に描かれたもので
そして
もう気が付いていた
最後のピースが
見つからないんだ
もうどんな絵なのかは大体わかっている
もうわかってる
わかっているよ
だけど
最後のピースが
埋まらないんだ
キャンバスに絵を描くこともできない僕は
他人が描いた絵を完成させることもできない
ジグゾーパズルの中の女性が
少し哂った気がした
ジグゾーパズルの中の塔は
今にも崩れそうだった
最後のピースは
一体どこへ消えてしまったんだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます