心のプリズム

毎日が


僕の視界にいろいろなビジョンを映し出していく


いろいろなサウンドが あるいはノイズが


僕の耳から入ってくる


そして花の香りや コーヒーの香りが


排気ガスの臭いが


肌寒い風が頬をかすめる日もあれば


穏やかな陽に背中が暖かくなる日もあり


そんな毎日が


毎日入力されてくるものが


僕の心のプリズムによって


何色ものスペクトルに分けられていく



時には憂鬱なブルーや


少しえっちなピンクや


落ち着いたグリーンであったり


ミステリアスなバイオレットだったり


胡桃色になることもあれば


グレーなこともあり


茜色に染まる日なんかもある



嬉しい色もあれば


悲しい色もあり


とても楽しい色だったり


優しい色のときもあれば


さみしい色のこともあるのは


さみしいんだからしょうがない



でもその色とりどりの光は


やがて一つに集まると


真っ白な光になり


その眩ゆい光の先


白い世界の中に


白い服を着た女性が立っている



白い帽子をかぶり


片手をこちらに上げて


唇に微笑みをたたえて



あゝ、いま僕は



君と同じ世界を生きている


君と同じ時の流れを


君と共に生きている



いま僕は


君のために生きている



心のプリズムがそう叫んでいる



何色もの


光を輝かせて

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