青春死体! 続くな!


 吸血鬼が死んだ。

 心臓に杭を打たれて死んだのだ。


「誰がやったんだ……?」

「私」

 

 魔女が手を挙げた。


「なんで?」

「うざかった」

「納得」

「うー……」


 悲し気なゾンビ。

 仲が良かっただけにショックだろう。


「ちょっとー魔女ー謝んなよー」

「ごめーん」

「うーあー」


 今回の議題はグリッド〇ンユニバースです。

 吸血鬼が杭を引き抜く。飛び起きる。


「BABY DON DON♪」

「なんだその起き方」


 魔女が驚きもせず突っ込む。


「俺は夢のヒーロー!」

「お前は吸血鬼だ目を覚ませ」

「尸解仙もついていけなーい」

「昔に電光超人ってのがあってだな……」

「オタク君話長くなる」

「おいてめぇ」


 吸血鬼と魔女がバチバチ。


「その後にSSSSってのがあって……特撮からアニメになったの」

「なんだその口調」

「海外でもドラマあるよ!」

「だからなんだよ」


 吸血鬼はそこでやっと血だらけの自分に気づく。


「俺、死んでた!?」

「私が殺した。十七分割じゃなくてごめんね」

「ホントだよ」

「マジでそっちが良かったんだ……」


 魔女がドン引く。


「俺、十七分割から復活出来るのかな……」

「まず心臓に杭から復活してる時点で異常なんだよ」

「グリッド〇ンの話していい? 今(2021年春)同じユニバースのダイナゼ〇ンってのがやってるんだけど!」

「その前に血を風呂で洗ってこいや」


 魔女に風呂場へと蹴り飛ばされる吸血鬼。

 美少女のシャワーシーン(心臓に穴開き)をご想像下さい。


「ふーさっぱりした。あのぉ、傷塞がらないんですけど」

「そういう魔法かけた」

「どうしたら解いてもらえます?」

「この作品を布教小説から青春小説に戻したら」

「無理難題ー!」


 尸解仙が囃し立てる。


「うえうえっ、みんなでマンガ読んだりアニメ見たりして、感想言い合うのも、青春だろう!?」

「作者の脳内会話じゃあねぇ(笑)」


 おい、尸解仙、表出ろ。


「出せるもんなら出してみろという一休さん的思考」


 ぐぬぬ。


「次、誰死んどくー?」

「うーあー」


 おもむろに自分の首を取り外すゾンビ。


「おー」

 

 パチパチパチと拍手が鳴る。

 死なないゾンビはそっと頭を首に戻した。


「何だ今の!?」

「で? 吸血鬼君? 青春取り戻し計画は?」

「うえうえ……思いつきましぇん……」

「はぁ、つっかえ」


 魔女が魔法陣を展開する。

 風が老人ホームを吹き抜ける。


「我、天に仇なす、悪魔の使徒、どこまでも続く悠久を統べし賢者にて、異邦の稀人なり。我が呼び出すは混沌、さあ顕現せよ、悪しきから現れし善性、ルシフェル!」


 ばさぁっと翼を広げた天使、ただし翼の色は漆黒。しかし天使の輪は輝きを失わず。その神々しさは留まるところを知らない。


「はぁ!? 急になに!?」

「何ってテコ入れだけど?」


 此処に来ての新メンバー加入。

 どうなる次回!

 

「おっと前話より文字数が少ないですねぇ、エタらないといいな(笑)」


 尸解仙、お前だけは許さない。

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