青春死体! 続いた!


 吸血鬼が言う。


「なぁ……いっつも俺のインドアに付き合わせて悪いとは思ってるんだけどさ、皆恰好ダサくない?」


 不老不死老人ホームの全員、ジャージだった。


「いや、取り繕う必要もないし」

「ジャージ楽ー」

「うーあー」

「何!? 邪神に供物を捧げるためにフックに人間を吊るす!?」


 相変わらずゾンビと吸血鬼が意味の分からない話をしている。


「私、普段着は三角帽にマントにローブだけど?」

「私はチャイナドレスー!」

「ボロ布」

「「「ゾンビが喋った!?」」」


 衝撃も束の間、話は戻る。


「お前ら今日は曇りだ外に出よう」

「嫌だね」

「嫌です」

「うーあー」

「何!? 殺人鬼より生存者のが煽ってくる!?」


 吸血鬼はゾンビに話の腰を折られてる事を気づいていない。


「出かけるってどこへ?」

「ショッピングモール」

「うーあー」

「バイオハザードまったなしだな」


 ここのゾンビは感染しません。ブードゥー教の由緒正しいゾンビです。


「はー、最近、魔法式のデジタル化に凝ってるんだけどさぁ」

「なに言ってんだこいつ」

「パソコン魔術」

「メガ〇ン?」

「具体名出すなや!」

「まさに目が点ってな」


 吸血鬼がフッ、決まったな……みたいな顔をしているのを全員無視していた。


「私等、戸籍とかどうなってんの?」

「そこら辺は私がなんとかしてるよん」


 尸解仙が言った。こいつ目立ってなかったな。


「私、これでも仙人だからさぁ、政界のお偉いさんの人生相談とかしてるんだよねぇ」

「へぇ、じゃあ裏戸籍が」

「うん、全員、中国籍」

「不法滞在!?」


 どうなる不老不死老人ホーム。ちなみに場所は特定を恐れて伏せて置きます。中国ではないらしい。


「ネット繋がるのはありがたいわー」

「それなー、吸血鬼Vtuberにスパチャをどーん!」

「そうじゃねぇ」

「うーあー」

「なに!? 発電機を起動させられた!?」

「ゲームしてるじゃねぇかお前ら!」


 尸解仙が挙手する、今日はよく目立つなこいつ。


「なんか地の文が私に冷たい」

「だって尸解仙って扱いずらいし……説明しづらいし……」

「即身仏のが良かったかぁ!?」


 登場人物は全員、美少女です(今更)


「コホン、私ね、此処に居る皆の知識を集めれば世界征服も夢じゃないと思うの」

「なんだ藪から棒に」

「魔女の魔法、吸血鬼の呪い、ゾンビの感染力、私の神通力。完璧じゃない?」

「うちのゾンビは感染しません!」

「うーあー」

「何!? 新殺人鬼追加!? 次はなんだ!?」


 すぐに脱線するのが悪い癖な吸血鬼とゾンビ、主に吸血鬼。


「つーか、俺の呪いって何? 不老不死? そんなの此処に居る全員じゃん」

「吸血吸血、忘れんな」

「なんか役に立つか?」

「いや、眷属増やせや」

「普通の吸血行為とは違うんだよ……面倒くさいんだよ……」


 吸血鬼は床にだらりと伏せる。


「やる気だせや」

「今日はよく喋るな尸解仙」

「分かり辛いんだよこの小説!」

「さっきからメタが多いなお前」

「どーもメタ発言担当の尸解仙です。よろしくね☆ チャンネル登録と高評価、Twitterのフォローよろしくお願いします」

「誰向けのなんなんだよソレは」


 結局、誰が喋ってるんだこの小説。

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