第8話 チーム結成・初の依頼受注

久々の更新です。

ほんと久々すぎてお読み頂いていた方は内容なんて覚えてないかと思います。

大変申し訳ございません・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(あれ、絡まれてる人って・・・クラスメートのユージンとシェリー)

帰っている途中で絡まれているクラスメートを発見した。

「アード、あれって・・・」


「たしかユージンとシェリー。クラスメートだね」


「!?!?助けましょう!ヘルメス、ついてきてください」


「もちろんだ。メイも行くよ!」


「「はい」」


急ぎ早に連れ込まれていた裏路地を目指す。



*   *   *


「何するんだ!」

「やめて・・・やめてください!」

何やら数人に囲まれてる。

なんか見覚えのある5人なんだが?


お仲間が3人増えている。

・・・8人ってクラン仲間とかかな?

「女連れていいご身分じゃねぇか。やられたくなきゃ女を置いてきな!今の俺らは期限が悪ぃんだ!」

そんなことが聞こえてきた。

ユージンたちには悪いけどすこーしだけ様子見させて。

いきなり襲い掛かったらこっちが悪くなるかもしれないし。


「やめてくれ!シェリーを放せよ!」

ユージン、3人に押さえつけられてんじゃん・・・

シェリーに至っては、服がすでに破れてる。

・・・助けよ。


「おっユージンとシェリー、どしたの。」


「アーマルド!」


「アーマルド君!」

「おっ・・・お前はさっきの・・・」

良かった、モブリーダーも覚えてた。


「お困り?」


「お困り!」


「おっけー、助けるね」


「何言ってんだこいつ」

さっきいなかったやつ(モブ6としよう)がこっちに近づいてくる。


「まっ待て!やめ・・・」

言い切る前に顎目掛けて蹴りを入れる。


「ふぐっ・・・」と声を漏らし倒れるモブ6。

こいつらは多分日ごろから弱者を甚振っているのだろう。

そんな奴ら、容赦しない。


「街中で魔法は使えないからね、あんたら覚悟しろよ!」

語尾を強め、怒りを露わにする。


「クックソ!またやられてたまるか!」

懲りずに向かってくるが、そんなものはお構いなし。

最後の1人を相手にしようとしたときに、残っていた1人が剣を振りぬいてきた。

さっきいなかったモブで意外といい太刀筋をしていた。

父親との訓練をしていない、剣を知らない状態ならもしかしたら・・・というレベル。


「C Ⅳランクだぞ!なめるなよ!」

と言いながら剣で襲ってくる。

避けながら、顎に拳を下から突き上げた(アッパー)。


C Ⅳだったのか・・・

トレーニングしててよかった~。



*   *   *


「アーマルド君、ありがとう!」


「助かったよ・・・」

ユージンとシェリーの2人がお礼をしてきた。

クラスメートだし見捨てないよ。

クラスメートじゃなくても悪人以外は助けるし。


「アードでいいよ。しかしこいつらも懲りないなぁ」


「冒険者ギルドに登録に行こうとしたらまさか絡まれるなんて」


「ほんとにね。服を破られたときはさすがに怖かったよ・・・」


「この人たちはどうします?」

マリアが聞いてきた。


「憲兵に突き出すよ。冒険者じゃない一般人を襲おうとしたのと、婦女暴行の現行犯。アウトでしょ。」

冒険者が鍛えてない一般人を襲うなんて言語道断。

尚且つ女性を強姦紛いの行為。

見逃しちゃいけないと思う。


「それにしても災難だね。こんなのに絡まれて時間とられるなんてさ」


「でもアードが助けてくれたから助かった。今度お礼しないとな。」


「いいよ別にお礼なんてさ。あっもう昼で試験も空いてるだろうから、急いで行って来たら?」


「そうする!ありがとね!」

シェリーは着替えてから行きなさい・・・?


ギルドに向かう2人を見送った後、憲兵所によってモブ8人を突き出した。

どうやら被害にあったのは俺らだけじゃなく、たくさんいたらしい。

現行犯で捕まえられず、手をこまねいていたらしい。

不逞な輩はもう出ないだろうし、マリアを送って会えるか。




*   *   *



週開けて月曜日


「みんなおはよう。登録はできたか?」


「できました」「ランク低くて・・・」「早く依頼受けたい」

みんなの反応を見る限り、無事にできたようだ。


「ちなみにこの中で最高ランクは誰だ?」


「「「「「「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」」」」」」

目線が俺に集まってる・・・


「俺はEⅠだったけど、同じ人いないの?」


「いやいや、学院生の試験でEになったやつがそもそもいないんだよ・・・」

先生がなんか言ってる。


「ま、まぁ全員登録できたならそれでいい。今日から授業をしていくからな。昼食後には授業が終わるから、もしチームを組むなら部活の時にやるといい。」

こうして学校生活が始まっていく。

ちなみに、教室の後ろでは、個人所有の奴隷たちが控えている・・・


放課後


「クランはこのクラス全員で入るとしてぇ、チーム分けはどうするのぉ」

リーンがみんなに・・・というより俺に聞いてきた。

なぜ俺に聞く・・・


「う~ん・・・まだ中等学院生だし、大人の冒険者みたいに攻撃特化型とかそういうのは考えない方が良いかと」

メガネをクイっとしながらロイドが答える。

確かに、みんなの得意なものを確認してからバランス良くチームを組んだ方が良いだろう。


「ちなみにさ、この中でチーム組もうって話してた人、いる?」

俺はマリアと組むって約束(口約束だけど)してたから、聞いてみる。


「私は、リーンと組もうかと話をしてました」

と、ベル。


「僕はクリスと幼馴染ですから、組みたいなって1人で思ってました。」

メガネをクイクイしながらロイドが答えた。

「ロイドぉ」とクリスは感涙している。


「ユージンとシェリーは冒険者登録を一緒に行ってたってことは?」


「うん、組む予定だった。そういうアードはマリア様と?」


「そうだよ。約束してた。」

「へぇ~」「魔帝と聖女か・・・」「お似合いだな」とかいろいろ言ってる

うまいこと回復が得意な人、近接・遠距離が得意な人など現時点ですでにバランスがいい感じに分かれて組んでいるな、みんな。


「じゃぁ、こういう組み合わせはどうかな?」

黒板にチーム分けと書いて、その下に4人ずつ書いていく。


[アード/マリア/ユージン/シェリー]

このチームは、魔法・剣の俺と回復のマリア、剣主流のユージンに弓のシェリー。遠近攻撃も回復もある。


[ロイド/ロキ/クリス/ケイン]

このチームは、回復のロイド・魔法のロキとケイン・剣(よりは体術が得意な)クリス。


[ヨーデル/ルイス/ベル/リーン]

最後のチームは、剣と回復のできるヨーデルと体術のルイス・魔法のベル・リーンといったメンバー。

キレイに分かれたと思う。

チームには先日購入した奴隷たちも入るので、強固にはなるだろう。


「あと、考えるのはギルドに申請が必要なチーム名とクラン名だね」

チーム名はそれぞれで考えることになり、クラン名は後で考えることにした。


「クラン名はさ、別に今日考えなくてもよくない?」

とリーン。

ソワソワしてる。

というよりも、目が依頼受けたいって言ってる。


「・・・チーム名急いで考えて、さっそく簡単な依頼を受けようか。」

そう提案すると、リーンとロキが「よっしゃーーーー!」とガッツポーズをした。

どんだけ依頼を受けたかったんだよ・・・



*   *   *


冒険者ギルド


「では、チーム申請を受諾いたしますね」

受付でユリアナに対応してもらう。


「まず、アード君・殿下・ユージン君・シェリーさんのチーム名は<四御の明星>。ロイド君・ロキ君・クリス君・ケイン君は<紅蓮の閃光>。最後にヨーデル君・ルイス君・ベルさん・リーンさんは<無冠の四頭>でよろしいですか?」


「大丈夫です」


「ちなみに、奴隷の方々も?」


「一緒にチーム登録してください」

個性的なチーム名が出来上がったなぁ。


「冒険者チームのランクはS-A-B-C-D-Eのみとなっております。通常の冒険者ランクのようにさらに段階で分かれてはおりませんので、ランクアップは遅く感じるかもしれません。また、チーム内でもランクが異なることもございますので、一番ランクの高い方と同じにさせていただいておりますので、〈四御の明星〉の皆様はEランク・〈紅蓮の閃光〉と〈無冠の四頭〉の皆様はFランクとなります。」

へえ、一番高い冒険者ランクの人と同じになるのか・・・って、俺が今EⅠだからすぐDになっちゃうかも!?

・・・マリアたちごめんな。


「じゃぁ早速依頼を受けよう!」

リーンが生き生きしてる。

どの依頼を受けるかは、各チームで決めてもらうことにした。


「今日は学校もないから、依頼を受ける手続きをしたらそのあとはどうするのかは各チーム次第ってことで!」

ロキがそう提案してきた。

依頼はそれぞれ違うので、確かに終わった後に集合にするのは待ってる側がつらいもんな。


「では、ここで解散・・・ということにしましょう。皆さん、依頼は十分お気をつけくださいね。では、また明日に」

マリアが締めくくった。

とりあえずどんな依頼があるのか掲示板を見に行こう。


俺たちはEランクの依頼が受けられるので、ほかのチームよりは受けられる難易度が高くなる。


「初日ですし、無理のない依頼にしませんか?」

シェリーが言ってきた。

俺もそう思ってたところ。


「一応俺のせいでEランクだから、受けられる幅は広いけど、確かに今日は様子見程度の依頼があればいいね」

俺がそう言うと、


「でも、採取系はなしにしないか?」

ユージンが返してきた。

魔物討伐で自分たちの戦闘技術を高めるのも悪くないな。


掲示板を見ていると、

「これでいいんじゃないか?」

と、ユージンが小鬼討伐ゴブリン討伐の依頼書を見せてきた。

内容としては、小鬼が村人を襲っているから討伐してほしいとの内容。

報酬は銅貨20枚。

ん~~弱いとされている小鬼なら別に平気か?

報酬が低いのは、ランクのせいだろうな。


「小鬼は弱いと言われてますから、問題ないと思います」

と、マリアも賛同した。

メイたちもいて8人で依頼を受けに向かうから、安心できるとは思うとのことだろう。


「場所はどこ?」


「え~っと、南東にあるカマリ村というところみたいですね。馬車で1時間ほどのところみたいです。」


「地図は~っと・・・ここか。」

東の街道を通って途中で南に逸れた先にある大きめの村のようだ。

王都側方面は平原になってるようだが、反対側は森があって魔物も複数生息しているらしい。

小鬼は森から来ているのだろうか?


「森が近くにあるらしい。森からほかの魔物が来ないとも言い切れないから注意していこう。」

「「「了解」」」「「「「承知致しました」」」」

依頼も決まったことだし、ユージンに依頼を受け付けてもらいにお願いする。


「向かう前に装備を整えに行こう」


「最低でも剣だけは手に入れておかないといけませんからね」

マリアも装備のことを考えていたようだった。


「そしたら、ここから東門の馬車の待合所に行く間に、ユージンの実家の鍛冶屋がありますからそこでお世話になりません?」

と、シェリーが教えてくれた。

丁度その時に戻ってきたユージンは「何が?」という顔をしている。

まぁ無視して向かおう・・・



*   *   *


ハルバルト鍛冶屋店


「とーちゃーーん」

店の扉を開けると同時にユージンが叫んだ。

奥の方からドタドタは知ってくる音が聞こえる。


「なんでぇ、ユージンか!店が開いているときは親方だろうが馬鹿野郎!・・・おっシェリーちゃんいらっしゃい」

頑固親父ふうの男性が出てきた。

白い革のサロンが煤汚れて、いい味が出ている。


「こんにちは、おじさん。今から依頼を受けに行くので、武器を購入したいんです。」

気付いてもらっていたシェリーが愛想よく答える。


「へぇ、これからか!ほかのみんなもかい?・・・・って、あれ・・・ん・・・?」

マリアに気付いたようだ。


「初めましてマルネリア・グレース・コーリネアルファと申します。」

王女らしい立ち居振る舞いであいさつをする


「王・・・女・・・・・・で・・・・んか・・・・?」

親父さん、フリーズ。

そりゃ驚くよなぁ。

王女が一般の鍛冶屋に来るんだもん。


「父ちゃん!父ちゃん!」

ユージンが親父さんを揺さぶった。


「・・・っは!これは王女殿下!コノヨウナトコロヘアシヲハコンデイタダケルナンテ・・・」

親父さんのしゃべり方がカタコトになっちゃったよ。


「お忙しいところ申し訳ありません、店主様。これから冒険者として依頼をこなしに行きますので、装備を整えさせてください」


「左様でしたか!これは名誉なことでございます!」


「とは言っても、駆け出し冒険者ですから、装備を大層にすることができませんのであまり売り上げに貢献できませんので・・・」

マリアが申し訳なさそうに言うと、満足そうに親父さんが、


「滅相もございません!お好みのものを必要分だけお選びください!シェリーちゃんや皆様分もオマケしますから!」

と答えた。

お言葉に甘え、みんなで装備を見ていく。

8人共通で選んだのは胸当て。

・・・メイにあうサイズの胸当てがなく、胸当ての上部からこぼれ落ちそうになっている。

もともと胸のはだけた服装をしているメイなので、水着を着たみたい谷間が強調されている。


「ご主人様?」

メイの呼びかけで我に返る。

・・・あれ?背中が寒い?気のせい・・・だよね?


「マリアはほかに何買うの?」


「・・・短剣にしました」

話題を変えようとしたのに、ダメだった・・・

口角が上がっているだけで目が笑ってない。

マリアから冷気が出ているようだ・・・


「俺は二刀ほしいんだよな・・・っと。これ・・・」

日本刀のような刀が目に入る。

横には脇差も置いてある。

本差と脇差セットで金貨1枚か・・・

えっ!?オマケして銀貨50枚でいいの!?


「この剣なぁ。刀って呼ばれてるらしいんだけど、刀身が細いだろ?だからって理由で売れねぇんだよ。面白いと思って仕入れてはみたものの、ここまで売れねぇとなぁ・・・。」


「いや、俺は好きですよ、この精錬された感じ。これ買います。メイには・・・」

メイにはナイフのような小型のものがいいな・・・

おっ二刀一対のカランビットナイフがある。

二刀って珍しいよな


「これはな、コビットナイフってんだ。ナイフのカタチを少し変えて作った俺のオリジナルよ!」

カランビットじゃないのか・・・いや、名前は似てるけども。


「ちなみに、これの両刃ってあったりします?」


「いや、作ったことねぇな。これ作るの意外と大変なのよ。次までに準備しとこうか?」


「いえ、鉄製でこのサイズは劣化がすごそうなので、素材が集まるまでは通常のコビットナイフにします。」


「そうか、これは後ろのボインの姉ちゃんが使うのかい?」

ボインて・・・いや、ボインなんだけどね?

人に言われるとなんか恥ずかしいな。

後ろを見てみると、メイの顔がハイライトされてなかった・・・

メイは無表情で怖い・・・


「そうです。彼女に持たせます。」


「はいよ、これで準備は良いのか?」


「そうですね、まだまだ駆け出しですから、もっとこなせるようになって技術を上げたら今よりもっと良い装備にしたいと思います」

シェリーが答える。

「そうか、気を付けていって来いよ!ユージン!殿下とシェリーちゃんを体張って守らねぇと許さんぞ!」

・・・親父さん、俺もいるんですよ?


「わかってるって!アードがいるから平気だよ!じゃぁ行ってくるな!」


「おぅ!」

親父さんとこっそり後ろから見ていたお弟子さんらしき木人たちが笑顔で見送ってくれた。



*   *   *


「おっ丁度出る馬車があるぞ!すいませーーーん乗りまーーーーす」

ユージンが馬車を捕まえる。

運よく8人だけで乗れる馬車があったので、御者さんに運賃に色を付けて、カマリ村まで向かってもらう。

依頼が終わるまで待っててもらえることにもなった。

マリアを見て目を見開いてたからだとは思うけど。

王女パワー恐るべし・・・


馬車で

「ユージンとシェリーは何にしたんだ?」


「俺は普通の鉄剣」「私は短弓です」

2人とも神託に合った武器にしたようだ。


「でも、なんでシェリーは短弓なんだ?」


「今回は小鬼で小型の魔物ですから、弦の短い短弓の方が連射ができると思ったんです。」

なるほどな、よく考えてる。


「後方支援はどんな場面でも大事だからな、頼りにしてる。」


「が・・・頑張りますっ。」

フンスっと意気込んだシェリー。

みんなリラックスしてて、初仕事とは思えない雰囲気だ。

それにしても・・・


「街道は魔物が出てこないんだな」

そう呟くと、


「街道には魔物除けの魔法が駆けられてるから安全なんでさぁ。」

御者さんが答えてくれた。

それなら長距離移動も安心だな。


「もし出てくるとすると・・・」

途中で言葉が途切れる。

どうしたのかと前を見てみると、あぁ・・・盗賊ですか・・・10人ほどの・・・


「アレです。街道で出てくるものは魔物じゃなく、人なんでさぁ・・・」

人っていいように言ったけど、盗賊だからね。

どちらかと言えば悪だよ・・・


「御者さん、止まらなくていいですよ」


「はい?」


「こうするんで」

そういうと指先に魔力を集め、風弾:エアバレッドを強めに撃つ。

狙いは全員の眉間。


ビンゴ!

全部眉間にヒットした。

シェリーさんがボソっと、

「まーた訳分かんないことしてますね・・・」

シェリーさん、聞こえてます。


御者さんは

「・・・とんでもないんでさぁ」

なーんて言ってる。

あれくらいの人(マト)なら、家で練習してきたことと同じだから、問題なかったんだよね。


「とりあえず現地へ向かいますんでさぁ・・・」

御者さんは考えることを放棄したようだ。



*   *   *


村に着くと、だいぶ寂れていた。

地図を見たときは大きめの村かと思っていたが、そうでもなかったのか?


「あんれ、こんな村にどういったことだんべ?」

訛りが凄いなこの年配女性・・・


王都近郊の村なのに・・・

「小鬼討伐の依頼で来たんです。」


そうマリアが答えると、

「・・・村長とこさ案内するんべさ」

・・・?


なんか間があったな・・・

とりあえず村長の話を聞くために、案内してもらう。


「こんれはこんれはよくおごしくださったんべさ」

(・・・これはよくお越し下さった、かな・・・)

全員の心は一致しただろうな。


「小鬼討伐の依頼で来た四御の明星というチームです。リーダーのアーマルドと言います」

・・・村長は、小鬼という単語の時に眉が動いた。


「・・・何かありました?」

単刀直入に聞いてみる。


「実は小鬼さまいにつ(毎日)違う数で襲てくるでさ。多い時さ少ない時さ色々だんべさ」

ちょっと訛りがあるので理解が少し遅れる。

要約すると、毎日襲撃の数が違うということらしい。


「だから依頼に討伐数が書いてなかったんだな」

ユージンが耳元で話しかけてくる。


「では、我々はどのようにいたしましょうか?」

襲撃数が毎回違うとなると、今回の依頼ですべて対応しきれないかもしれない。


(本日はここで泊まらせていただいて、明日も朝から村を見回りますか?)

(いや、学校に時間がかかる申請もしてないし、ギルドも当日で完遂できる計算だから依頼を掲示板に出したんだろう。)

(わかりました、今回は襲撃してきた分の討伐、ということで)


俺とマリアでこそこそ相談していると

「小鬼さ来たの森だべで、毎日村さみてるだよ」

う~んなんだかなぁ。


「では本日は襲撃分のみ対応いたしますわ。ですので、今からギルドに〈小鬼襲撃の完全討伐〉と再依頼を出してください。それも私たちのチームを指名して。報酬は今回と同じで構いませんので」

と、マリアが提案した。


村長は、

「そなで助けてくでるべか?」

と不安がっている。


「お任せを。では、今すぐギルドに使いを送ってください。」

村長は急いで、依頼の申請書を書き出した。


「では、僕らは準備しようか」

ユージンの一言に、みんな頷く。

「森のほさからくるでさ。お願ぇすだ。」

いや、ほんと訛りのクセが強い。



さぁ、迎え撃つ準備だ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校球児の異世界ライフ〜チートをもらって第2の人生を無双する〜 白熊公爵 @shirokuma-seri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ