第4話 中等学院入学しました
初等学院の卒業
正直、得るものがなかったわけではないのだが、精神年齢18歳にはなかなか堪えるものがあった。
いや、ほんとに・・・
まぁ、初等学院では王国貴族としての何たるかを学んだ、ということでいいだろう。
そういうことにしとこう・・・
中等学院への入学に関しては受験もなく、入学しますよ、という意思さえ示せばいいらしい。
・・・学力テストはあるけどね。
あとは、入学に向けて制服やら必要なものを揃えるだけ。
これだけで充分らしい。
それ以外に期待していることがあった。
(12歳から冒険者登録ができる。学校の意向で推奨してるとか・・・これは登録したいな!)
冒険者登録
主に平民に産まれた者が多く登録し、仕事として生計を立てるのに冒険者をするものが多い。
王国では長子継承のため、長子以外は手に職がなくなるので、冒険者になるものも少なくない。
だからこそではあるが、貴族もそうだが平民も成人後にしっかりと生計を立てられるようにできるように勉強に励みつつも、冒険者として小遣い稼ぎができるように登録を推奨しているのだった。
(家での魔法や剣の練習だけだとレベル感がわからないし、冒険者として実践練習しないとな)
そんなことを思いながら、入学式を待ちわびた。
* * *
入学式当日
「アード!」
後ろからマリアに話しかけられた。
「久しぶり、初等学院卒業以来だね」
・・・初等学院では割と付きまとわれていた記憶しかないけどね。
「そうですね、中等学院でもよろしくお願いしますね!」
「・・・ここにいるってことは?」
「はい、東部学院に入学しました!」
(なぜ25%の確率なのに同じところに通うのだーーーーーーーーーー!)
中等学院は東・西・南・北の区立のみ。つまり、貴族も平民も混合。
東・西・南・北で分かれる学校でまさか同じところになるなんて・・・
まぁ王族は学区指定されてないから、好きなところに行けるんだけどさ。
ちなみに、初等学院の時は貴族が通う王立・平民が通う東・西・南・北の区立と分別されていたため、俺もマリアも王立初等院だった。
・・・正直ついてるよなぁ。
だって、かわいいもん。
5歳のころから整った顔だったが、成長するにつれてよりかわいくなった。
(12歳にして豊かな双丘。う~んDはあるか?・・・って、いかんいかん)
邪念を払いつつ、
「クラスは・・・S2だ。マリアは?」
「私もS2です♪」
「そりゃ同じですよね」
クラスはS-A-B-C-Dと分かれており、Sは1と2で分かれておりS1貴族家の総領のみ。
S2がそれ以外の貴族家+平民の学力テスト優秀者10名。
AからDはS2に入らなかった者以外で学力が平均になるように振り分けられている。
「さぁ、入学式会場へ参りましょう!」
「ちょっ・・・」
グイっと腕を引かれる。
左腕にムニョンと柔らかい感触。
(あ・・・当たってるぅ~~~~~~~~~~)
これは、試されてる?試されてるのか??
(うふふっ♪)
ひっそりとニヤけるマリアに、アードは気づかなかった。
マリアに腕を引かれながら会場へと向かった。
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