〈13〉

「あの……じゃがいもの皮、いつも捨ててますよね……?」


ゴミ袋にカラス除けネットを丁寧に被せていると、

ふいに後ろから声をかけられた。


なんだろう、じゃがいもは燃えるゴミだから、今日で間違っていないはずだけど。

僕は強気で後ろを振り返った。



「突然すみませんっ前から気になってて! あの、もし良ければ、じゃがいもを前提に付き合ってくださいっ」



不思議だった。

目の前にいる女性は泥だらけで、肌が特別白いわけでもない。


それなのにあの記憶が蘇ってくるのは何故だろう。

どうでもいいアパートに居た、どうでもよくないシャワーヘッドに出会った、

あの日のことを――


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