青春会話

春野秋音

第1話 ねぇ、先輩。青春してますか?

「ねぇ、先輩。青春してますか?」

 私の高校生活はあと2年で、先輩はあと1年。毎日部室で私と生産性のない会話をしている先輩に聞いてみた。

「いきなり難しいこと聞くなよ」

 余計なお世話だと言われた。たまには先輩と生産性のある会話をしようと思っただけなのに、終わってしまった。

「じゃあ、また明日聞くので考えておいてください」

 いきなりでなければ答えてくれるのかと思い、宿題にしてみた。

「わかった。考えとく」

 変なところで真面目な先輩は、私の宿題に取り組んでくれるらしい。そこが先輩のいいところである。

 そのあとは、いつものようにマンガとかゲームの話をして帰った。


「ねぇ、先輩。青春してますか?」

 昨日と同じように先輩に聞いてみた。今回はいきなりではない。

「えーっと、結論から言うと青春してるぞ」

 意外な答えだった。てっきり私と同じで、気づいたら1日が終わってる系の人だと思っていたからだ。

 では、先輩の高校生活のどこに青春があるのだろうか? 

「部室で後輩と毎日どうでもいい話をしてる。それが楽しい」

 おお、青春はここにあった。そして、少し照れる。

「先輩。それ告白ですか?」

「いや、違う。後輩としてしか見ていない」

 即答だったので、ちょっとショック。でも、分かったことがある。

 先輩と過ごすこの時間を私も楽しんでいる。なら、私も青春をしていると言ってもいいのではないだろうか。

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青春会話 春野秋音 @harunoakine

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