虹
勝利だギューちゃん
第1話
虹。
雨上がりに出る、七色の橋。
当たり前だが、渡ることは出来ない。
でも、子供の頃は渡れると信じていた。
「何歳まで」
隣に座っている彼女が尋ねる。
「うんと、10歳」
「おそ!私は7歳の時に気が付いたよ」
「それも、遅いと思う」
「君に言われたくない」
何気ない会話。
それが楽しい。
「でも、本当に渡れたらいいね」
彼女が空を見上げる。
「あの橋を渡ったら、何があるのかな・・・」
彼女の顔が希望に満ちている。
おそらく明るい未来があるのだろう・・・
それにたいして、僕は悲観してばかりだ。
「行こうか?」
彼女が手を差しだす。
「どこへ?」
「明るい身以来へ・・・」
虹は七色ある。
赤・橙・黄・緑・青・藍・紫
もし、それぞれに世界があるのなら、彼女と同じ世界であることを・・・
今日から、僕と彼女は恋人ではなく、夫婦になる。
今は、そのバージンロードを歩いている。
「これからは、家族だよ」
虹 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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