月の姫

https://kakuyomu.jp/works/16816452219594204060/episodes/16816700426722372904と同一人物達


 背中のジッパーを上げると、月乃はお姫様のようだった。首の周りが開いた、レモンイエローのパーティドレス。


「朧月夜みたいだな」

「風流な褒め方」


 笑う月乃と一緒に、蒼い三日月のペンダントが胸元で揺れる。


「なあ、お前のそれってただの概念コスプレみたいなもんなの」

「それって」

「月の姫みたいな空気と格好」

「ペンダントは一星君のプレゼントなんだけどなあ」


 ギャグみたいだけど、月乃のプレゼントと言ったらコレしか思いつかなかった。あんまり彼女が、月みたいだから。


一星いっせい君が、私だけの一等星の旦那様になる覚悟が来たら、全部教えてあげる」


 月乃は爆弾発言を残して出かけて行った。今日は「お父様」の呼び出しの日らしい。


 Twitter300字企画第三十回お題より……「飾る」(本文293文字)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る