愛しい愛しい、僕の影
影。友達よりも家族よりも常に近しくある、僕の影。生まれた瞬間ピッタリ寄り添うそれは、髪なんぞより長い友じゃないだろうか。
そんな物を忘れてくって、ピーターパンって薄情だ。相棒のティンカーベルすら忘れるやつだからな。影すら忘れても不思議はないさ。
その影が今、僕から離れ、目の前に黒い姿で立ち尽くしている。決して叶わなかった抱擁さえ叶う状況に、影はただ憤慨するのだ。
「君は最低だ」
言い残して影は消え、僕は影を永遠に失くした。
どうして。君だけはどうあってもずっと一緒だと。
足元には僕が殺した恋人の死骸。僕を捨てようとした女なんかいらない。君さえいれば、良かったのに。いかないで、戻って来てよ。ねえったら。
Twitter300字ss第七十六回お題……「影」(本文298字)
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