第5話
リムジンはネオ自衛隊の敷地内にほぼ顔パスで通過した。そして指定された場所に駐車。指定された区画に黒焦げの患者を搬送する。
「処置室は?」
「準備できてます」
看護師が言った。
「なぁ。ここ軍の施設だろう?なんで病院があるんだ?」
「別に戦争行って人を殺すのが軍隊の仕事ではない。まぁ歴史を紐解けばミャンマーの軍事政権のような自国民を殺傷するのが仕事のような連中もいるようだがね。NBC兵器対策として病院施設がある。ここもその一つ。だよ」
扉を開ける。すると。
中央にカプセルのある奇妙な部屋があった。
「なんだこの部屋?なんか得体の知れない生物兵器造ってる実験室のような」
「そーだよ」
「そーだよ。ってなんじゃそりゃああっ!!!!」
「まぁ本当は私は。というか私や友人の会社が一部してこの国の政府軍に造らせてたんだよ。でもまぁ世間的にこういう施設って不味いでしょ?公(おおやけ)になる前に私が医療設備として格安で買い叩いたんだよね。実際医療施設として使えるし。じゃあ始めるか」
「わかりました」
ジェームズ氏は看護師たちと共に作業を開始する。
「まずは体全体を軽くCTスキャン」
「皮膚全体が重度の火傷を負っています。気管支系もやられています」
「まぁ炎に包まれたからね。内臓は?」
「そちらはまだ無事です。では摘出手術の準備を」
「クースケ=クン。その阿呆をつまみ出したまえ」
「はい」
「え?」
クースケはとりあえず言われた通りにした。
「はい。この患者は脳が無事です。さらに眼球も無事。まぁ角膜の移植が必要になるかもしれんが。じゃあクースケ=クン。この患者を助けるとどんないいことがあると思うかね?」
「一人の尊い人命が救われる?」
「それもあるけどさ。この保母さん。仮に放火だとしたら犯人の顔見た可能性めっちゃ高いよね。だとしたら生き証人が今死んじゃうのはマズいとボカァ思うんだけどなぁ。というわけで処置開始」
「了解しましたドクター」
太めのチューブが腰の辺りに差し込まれた。
「機械により人工的に血液中に酸素を送り込み、壊死した肺の代替をさせる。ついでだから浸透圧を調節し、水分補給もしておこう。その間に必要な措置を行う。具体的には人工肺との交換。皮膚を人工物。筋肉も焦げてるだろうから培養筋肉に変えておこうかね」
「それなりに費用がかかりますが」
「君達お医者さんととして勉強したいでしょ?医者としての技術を磨くチャンスをあげるって言ってるんだよ」
「ありがとうございます。ジェームズ=サン」
「ハイ。ヨロコンデー。手術をさせていただきます」
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