第33話 アストの最後
ガーネ王国の王室に瞬間移動してきた四人。
玉座にはユウキが座っている。中心にアストを降ろすと、三人は隅に隠れた。
アストはずっとビクビクと震えながらユウキを見つめている。
そんなアストには目もくれず、ユウキは立ち上がる。
「アスト、貴様の今までの活躍はよく聞いている。しかし、裏で派手に動き過ぎてしまったな。王位剥奪ではもはやどうすることもできまい。よってお前は極刑だ。直ちに準備に取り掛かれ!!」
そう告げると、部屋の扉から兵士が駆けつけ、アストを拘束しどこかへ連れて行ってしまった。
「と言うわけだ。ローラ、君にも一仕事してもらおう」
「はい、お任せください!」
そう返事をしていたローラの顔は今日一番の笑顔を見せている。
それに気づいたオーロラはリアンに質問を投げかけた。
「ねぇ、あの子ってもしかしてずっとこの仕事任されてるの?」
「えぇ・・・私的にはやめて欲しいのですが、あの子がやめたがらなくて」
「どこで間違ったのかしら」
「多分あなたの元にいたからですよ」
「あら、誤解よ?私はあの子にただ純粋に闘いを好きになってもらおうと」
「その弊害です」
「あらぁ」
数時間後、トリン王国に移動した三人は号外のチラシを受け取る。
そこには本日、アストが処刑されると大々的に書かれていた。
街の中心には既にたくさんの人だかりができている。
中央には既に処刑台が用意されており、覆面を被ったローラも立っている。
周りからはアストに対して暴言が浴びせられている。
後日、アストの地下室からは何人もの白骨遺体などが見つかった。
アストが兵士によって連れてこられると、住民たちのテンションは最高潮に達した。
胴体を固定し、首を前に差し出させる。ローラも腰の鞘から刀を抜き出す。
上空に刀を構え、動きを止めた。
「最後に何か言い残すことは?」
「わ、私はこの国の王だぞ!?今までどれだけこいつらのために努力してきたと思っている!なのにたったこれだけのことでここまですることを許されてもいいのか!?」
「確かによくないわ。でも、あなたはやり過ぎたの」
そう言い切ると、ローラはアストの首めがけて刀を下ろす。
落とされた首はコロコロと動き、処刑台から落ちた。
落ちてきた首は住民を睨むように目が見開いていた。
それをみた住民は悲鳴をあげる。が、そのことには目もくれずに、覆面をかぶっていたローラはアストの首を回収し、その場をさる。
上機嫌に首を腕と一緒に振りながらどこかへと消えていった。
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