第32話 アスト

地下からアストのいる小部屋に瞬間移動してきた三人、アストは驚きを隠せず、椅子から転げ落ちる。

四つん這いになりながらも、逃げようと必死に扉を目指して這いずるが、オーロラが扉の目の前を陣取り、観念したのかアストは三人に対して土下座をする。


「本当にすまなかったあああああああ!!!!!!悪気はないんだ、ただ日々のストレスを発散したかっただけで」

「そんな理由なら闘技場で殺し合いなんかさせないでしょ?それにキマイラまで復活させて」

「これはもう弁明の余地はありませんよ!」

「だ、だが私はこの国の王だぞ!?お前らなんてどうとでも・・・」

「あら、それを言うならば私もお父様に言いつけますよ?」


リアンはニコニコしながらアストにそう返答した。

すると、さっきまで威勢の良かったアストは次第に崩れていった。

地面を見つめ、項垂れているアストの元へリアンは歩み寄り、アストの元でしゃがむ。

すると、リアンはアストの首を掴み、アストを睨みつけながら喋りかける。


「今回、キマイラを復活させ、クリソの友を復活させたのは全てあなたの仕業ですね?」

「そ、そうです・・・」

「なら、その復活させた方法を教えなさい」

「・・・貰ったんです、この国を訪問してきた黒いマントの商人に」

「そいつは今どこに」

「わ、わかりません!うちに石を置いて行った後、どこかにいってしまわれたので」

「最後の質問です。石は何個もらいました?」

「5つです」


それを聞き終えると、リアンはアストを投げ捨てて立ち上がる。

リアンはローラとオーロラに合図を出し、ローラがアストを拘束し、小部屋を出る。

小部屋を出た後、アストを抱えた一同は再び瞬間移動で場所を移動する。

着いた先はガーネ王国王城。王城内の国王室である。

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