第34話 次の目的地

アストの処刑が終わってから数週間が経ったある日、ローラとリアンの二人が魔物の討伐報告を行なっていると、王国兵士が走ってギルド内に入ってきた。


「ロ、ローラ様、リアン様!!国王がお呼びです。すぐに王城まで来てください!!!」


そう言い残すと、兵士は去って行く。

突然の呼び出しと急ぎの様子でポカンとしていた二人だが、とりあえず王城へ向かうことにした。

王城に着くと、いつものような賑やかさがなく、静まりかえっている。

二人はゆっくりと王室へ歩みを進める。

いつもよりも緊張感が段違いだ、扉の前で一度深呼吸をした後、リアンが王室の扉を開ける。

すると、ユウキが玉座に座ったまま待ち構えていた。

二人は部屋の中央まで移動すると、膝をつき、頭を下げる。

それをみたユウキが口を開く。


「おいおい、頭を上げてくれよ二人とも」

「今日は城内も静かだったので余程のことかと・・・」

「まぁ、そうでもあるな。実は過去に俺のパーティで倒した奴らがいるんだが、そいつらが今立て続けに復活しているらしい」

「え!?お父さん達が倒した魔物が・・・?」

「あぁ。おそらく今回この石をばら撒いた張本人の仕業だろうがな」

「そ、そんな。お父さん達でも苦戦していた魔物が?」

「そこでだ。俺は元パーティメンバーを収集し、再びパーティを組むことにした」

「でも、お父さん達がパーティ組んでたのってもう何十年も前じゃ」

「安心しろ、みんなまだ生きている。なんなら最近会ってただろ?」

「ローラちゃん、知ってる?」

「ううん、知らない」

「オーロラだよ、オーロラ」

「あの人もそうなの!?」

「当たり前だろ、この世の中に魔物を全滅させられる人が一般人にいてたまるか」

「た、確かに・・・」

「とりあえず、お前達のことだが。次はシストへ向かってほしい。そこに俺の知り合いもいるから詳しい話はそこで聞いてくれ」

「「はい!」」


二人の次なる目的地はシスト。王国から遠く離れた島国だが、そこの魔物は王国の魔物より凶悪で二人もあまり足を運ばない。

そんな国へ向かうことが決まった二人は少し緊張が現れていた。

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