第27話 裏

アベンと別れを済ませたクリソを連れ、三人は王城へ帰還する。

王城へ入り、国王へカルサイト森林で起きたことを話し、今回の報酬を貰う。

すると、国王が突如玉座から立ち上がる。


「クリソ、ローラ、そしてリアンよ。これまでよくぞ働いてくれた。これで依頼を終了とする。追加の報酬も用意しておいた、これも持っていきなさい」


そういうと、玉座の奥から金貨の入った袋を乗せた台を使用人が運んでくる。

三人に袋を渡し終えると、王室から退室した。

王室の目の前で三人はお互いを見つめあった。


「クリソ、その、あの時のことは災難だったわね」

「あぁ、だが俺も男だ。しばらく休んだらまたいつも通りに生活するよ」

「そう、それでお別れですわね」

「あぁ、二人とも世話になったな!」

「いえ、こちらこそ。お元気で、クリソさん」

「また勝負しような、クリソ!」


クリソと別れた後、ローラ達はギルドに依頼の報告を完了させ、宿やん帰るとしていたその時。

突然ローラが勢いよく後ろを振り返る。

不思議に思ったリアンがどうしたのかと問いかける。

すると、今すれ違った人の中に血の匂いがする人物がいるとのこと。

それを確かめるべく、来た道を戻ると、王国兵がキョロキョロと周りを確認しながら路地裏に入っていくのを見かけた。

こっそりとその兵士の跡をついていくと、家の前で立ち止まり、家の前に立っている人物と会話をし、中に入って行く。

これは何かありそうだと思った二人はその家に近づく。


「誰だお前達は」

「私達、道に迷っちゃって」

「そうか、ここは危ないから早く帰るといい。出口はそっちだ」

「ありがとう、おじさん」


ローラがお礼を言うと、隣に居たリアンが睡眠魔法をかけ、男性は眠ってしまった。

中に入ると、そこには下につながる階段のみがある。

階段を降っていくと、段々と血の匂いが強くなってくる。

リアンは今にも倒れそうだったが、ローラは気にせず突き進んでいく。

すると、突然広い部屋が見えてきて、大勢の騒ぎ声も聞こえてくる。

階段から出ると、そこではどちらかが死ぬまで続けられる、違法な闘技場が開催されていた。

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