第25話 実験
ローラとリアンの二人がバハムートと対峙している時、森林の茂みからクリソがひょっこりと現れた。
クリソが現れたということは向こうの魔物は全て討伐は完了済み。
残るはこいつだけってわけね。
クリソは空を見上げると、思わず叫び声を上げる。
「な、なんじゃあありゃあああああ!!!!!」
「バハムートよ」
「バハムートだと!あいつは、空想上の生き物じゃないのか!?」
「実施に出てきてるんだから認めなさい。あいつは元々この世界に存在していたのよ」
「全く訳がわからねぇよ。魔物の大量発生を調べろって言われたらとんでも無いデカさのキングサーペントに会うわ、生息区域じゃ無い場所に魔物がいるわ、挙げ句の果てには空想上の生物まで。本当にどうかしてるぜ」
「さて、問題はバハムートをどう倒すかね」
ローラとクリソが悩んでいる時、リアンが手を挙げる。
「それなんだけど、ちょっと私に任せて欲しいの」
「何かいい方法があるの?」
「実は前々から魔物を召喚石に閉じ込めてみたかったの」
「・・・なるほど、いいわよ!」
「ありがとう、ローラちゃん」
「え、え?何がわかったんだ?俺にも説明してくれ!」
「まぁ、あなたは見てるだけでいいわ。見ていればわかるから」
そういうと、ローラは刀をしまい収納ボックスから双剣を取り出す。
双剣を構えた瞬間、ローラの姿が一瞬にして消える。
気がついた時にはずっと天空で傷を癒していたバハムートの目の前に姿を表していた。
その瞬間、もう一度ローラが姿を消したかと思えば、バハムートの体の至る所から出血が始まり、地面に叩き落とされる。
地面に落ち、その衝撃で気を失ったバハムートにリアンが近づく。
リアンはバハムート相手に神の雫(ゴッド・ドロップ)を唱える。
すると、バハムートの傷がみるみるうちに回復し、目を覚ました。
が、その瞬間再びローラが現れ、バハムートの体を切り刻んでゆく。
瀕死に陥ったら回復させ、体力が戻ったらまた瀕死にする。
それを繰り返していくうちに、バハムートは空に逃げようとしていたが、それも阻止され段々と抵抗をしなくなってくる。
それを見ていたクリソも完全に引いており、今すぐにでもこの場から逃げ去りたい思いだった。
そんな時、リアンがローラの攻撃を中断させた。
「さぁ、これであなたと私達の力量の差がわかったでしょう?今、おとなしくしてくれるのなら殺さないであげるわよ?」
そうバハムートに問いかけると、首を激しく盾に振り始めた。
リアンはそれを見た瞬間にニヤリと笑う。
「商談成立ね」
そういうと、リアンはバハムートの目の前に空の召喚石を置いた。
すると、その中にバハムートは吸収され、数秒語には跡形もなく消えている。
リアンが目の前に置いた石を手に取ると、その中には確かにバハムートが入っている。
リアンの実験という建前で、バハムートの討伐は完了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます