第24話 バハムート
地中から蘇ったバハムートは天空へ飛び立つと、大きく息を吸い込み炎のブレスを吐き出す。
あたりは一瞬で炎に包まれ、炎が木々へと燃え移る。
気がつく頃にはそこにいたはずのアベンも消えていた。
バハムートはお構いなしに森の至る場所に炎のブレスを吐き続ける。
二人は周りを炎で囲われ、出るに出られない状態だった。
囲われるのならば、火を全て消せばいい。
リアンが天空に杖を掲げると、空からぽつぽつと雨が降り始めた。
その雨は段々と激しくなり、次第に周りの炎が消えてゆく。
これがリアンの特大魔法の一つ、「天候変幻」
自分の思い通りの天気にすることができるリアンのみが使える特殊特大魔法。
だが、30分という時間制限がある。
しかし、雨が上がるとあたりの炎は消え、地面からは湿った土の匂いがする。
バハムートも今の事態に困惑しつつも、気を取り直し天空から地面に降りてくる。
ローラが刀を抜き、しっかりと両手で構えられると、バハムートは少しだけ距離を開いた。
次の瞬間、ローラは刀を抜いて、刀を再び鞘にもどす。
すると、バハムートの全身から血が垂れる。
バハムートは油断できないと察知し、再び天空へと距離を稼ぐ。
天空に着くと、再び炎を吐きだす。このままでは森一帯が焼けてしまう
その前になんとかしないと・・・
そんな時、後ろから二人を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい、二人とも無事か!!」
後ろから現れたのは先ほどまで別行動をしていたクリソであった。
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