第17話 国王からの依頼
コカトリスの討伐を終えた二人は、新たな依頼を受け続け、順調にトリン王国での信用を集め始めていた。
そんなある日、二人がギルドへ向かっていると数人の兵士と馬車が二人を取り囲む。
兵士達の奥にある馬車から銀髪の一人の男が出て来ると、二人を見つめ話し始めた。
「君達が最近この国に来たSランク冒険者だと聞いてるが、それは本当か?」
「はい、その通りですよ」
「国王のアスト様がお呼びである。一緒についてきて欲しいのだが」
「どうする?ローラちゃん」
「行ってもいいんじゃない?別に予定もないし」
「分かったわ。それじゃあ案内をお願いしますね」
「はい。申し遅れました、私トリン王国の騎士団団長を務めておりますクリソと申します。以後、お見知り置きを」
二人がクリソの馬車に乗り込むと、馬車の運転を再開する。
馬車の中ではクリソとローラの二人が談笑していた。
というのも、どうやらクリソはユウキの大ファンらしく、そのユウキから直々に剣を習っているローラの話を聞き、はしゃいでいる。
ローラもローラでクリソからの魔物討伐の話を聞き、楽しんでいる。
その様子を見つめていたリアンが二人の共通点を見つけ出した。
どちらも戦闘を好んでいるということ。そして、相手を圧倒する力があること。
クリソは身長が高く、ガタイも良い。そんな奴が知識と技を身につけたら?
そんなの強いに決まっている。だからこそ、こんな戦闘狂でも騎士団の団長になれるわけだ。
しばらくすると、トリン王国の王城が見えてくる。
自分達の住んでる城よりは小さいが、それでも王城という存在感は凄まじい。
国王のアストって人、一体どんな人なんだろう・・・
リアンの心配が消える前に馬車は王城の中に入って行く。
中に入ると二人は一旦馬車から下ろされ、クリソが先頭を歩く。
少し歩くと、目の前に王室を発見した。クリソが扉をノックし、扉を開ける。
扉の先には白い長髭を生やした老人が玉座に座っている。
だが、その人物からはただならぬ覇気を感じる。二人は部屋の中心まで行くと、跪き顔を伏せた。
「顔を上げなさい。二人とも、よくぞこの国へ参った。私がトリン王国の国王、アストだ。クリソ、案内ご苦労だったな」
「いえ、もったいなきお言葉!!」
「それで、国王様、私達に一体どのようなご用件でありますか?」
「ふむ、さすがユウキの娘だ。話がわかるな。実はだな、最近魔物の出現情報が多くて困っているんだ。しかも中には正体がわからない謎の魔物も存在する。そこで、君達二人とクリソの三人でこの魔物の大量発生の原因を突き止めて欲しい」
「分かりました、必ず原因を突き止めてみせます!!」
「そうかそうか、それでは三人とも、頼んだぞ」
「「「はい!!!」」」
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