第15話 ガルーダ討伐
ユウキにガルーダの討伐方法を教わった二人はこの村に再びガルーダが現れるのを待った。
いつ、どのタイミングで現れるかわからず、住処もどこにあるかが不明なため、こうすることしかできない。
ガルーダが現れるまで近くに借りた小屋で待機しつつ、戦いの準備を進めていた。
待ち続けてから4時間、辺り一面が再び暗くなる。
ローラとリアンが急いで外に出ると、ガルーダは悠々と空を飛びながら奥に見える山へ向かう。
二人も急いで向かおうとするが、山まで徒歩で向かうと時間もかかってしまうため、山の麓までワープする。
ワープした先に着くと、ガルーダがちょうど真上を飛んでいる。
このチャンスを逃さまいとローラは剣を抜き、ガルーダの足を目標に定め、地面を強く蹴りガルーダの飛んでいる空まで飛ぶ。
ガルーダの近くまで行くと、器用に折りたたまれた足を切りつける。
足を切りつけられたガルーダはバランスを崩し、地面に落下した。
ローラは地面に叩きつけられたガルーダの上に着地し、ガルーダの体全体を切りつける。
ダメージは入っているようには思えないが、ガルーダの羽が次々と取れて行く。
最初は全身を覆うほどの剛毛に包まれていたが、気がつけば普通の鳥と何も変わらないほどの毛量になった。
自分の異変に気付いたガルーダは甲高い奇声を上げ、飛び立とうとする。
しかし、飛び立とうとした瞬間、バランスを崩しガルーダは再び地面に倒れこむ。
ガルーダも自分に何が起きているのかがわかっていない。
実はガルーダは飛ぶために助走をつけてから飛んでいるのだが、先ほどの攻撃でローラが足を切りつけていたため、走ることができなくなっている。
倒れ込んでいるガルーダの近くにローラが近寄り、アイテムボックスから刀を取り出す。
中腰になって構えた後、一瞬でガルーダの首を斬りとばす。
ガルーダの首は宙を待った後、そのまま1m離れた先に落下した。
ローラはガルーダの首の元へ行き、ガルーダの首を持ち上げる。
昔に存在していた魔物。その強さは今まで戦って来たどの魔物よりも厄介で強かった。
でも、死んでしまえばみんな一緒。綺麗で、とても美しい。
ローラがガルーダの首に見とれている間、リアンはガルーダの胴体を回収しつつ周りの状況を確認していた。
今回の件、昔の魔物が出て来た割には片付くのが早すぎる・・・本当にこれで終わり、なのかしら?
リアンは疑問を抱きつつも、ガルーダの討伐報告をするため、村に戻ることにした。
村に戻ると、村長や村の若者達が一斉に駆け寄ってくる。
「お二人とも!無事に魔物は討伐できたのでしょうか?」
「えぇ、もちろん討伐して来たわ!!」
そう言いながらローラはガルーダの首を見せつける。
それを見た村長達は歓声をあげた。
「よくぞ討伐して来てくれました!今日は宴じゃ、お二人もぜひ参加していってください!!」
「それじゃあ、お言葉に甘えて!!」
その夜、村では盛大な宴が開かれた。
村民達が酒を飲み、物を食べ、騒ぎ、歌う。
それほどあの魔物は驚異だったのだろう。
リアンはお酒を飲みながら、ちらりと村民と話しているローラを見つめる。
楽しそうに村民と話しながら焼き串をもらって嬉しそうな表情を見て微笑んでいた。
さて、明日には戻らないといけないし程々にするように言っておかないとね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます