第6話 ローラの地下室

仕事を終えたローラは、自宅の地下室に持ち帰った首を飾りつけていた。

その地下室には今までローラが処刑した人々に加え、様々なモンスターの首も綺麗に飾られているが、その他には何も置かれていない。

だが、不思議なことに飾りつけられている首はどれも腐敗している様子が全くない。

通常、死体を放置しておくだけなら数日後には悪臭を放つようになるが、ローラはそうならないようにとある魔法をかけている。

その魔法の名は「ストップ」対象の時を止めるものなのだが、これを応用して物にかかる時間を止めているため、何年経ってもそのままの見た目を維持できている。

この魔法を使えるのはローラと、この魔法を教えたリアンの父、ユウキの二人のみである。

物の整理を終えると、ローラは満足そうな顔で地下室を出て自宅に戻る。

リビングへ向かうと、リアンが既に夕食を作って待っていた。

チーズの焼ける香ばしいいい匂いがする。リアンはオーブンを開け、中からグラタンを取り出す。

ローラは既に席に座り、グラタンの到着を待っていた。

グラタンを机に置くと、リアンも椅子に座る。


「それじゃあ、いただきます!」

「いただきます」


ローラはグラタンにスプーンを入れると、そのまま口に放り込んだ。

口の中でハフハフと冷ましながら食べ進めていく。熱いものは熱いうちに食べる、これに尽きるわね。

チーズの美味しさとマカロニの相性はまさに絶妙。

中にはプリプリのえびがあり、それと一緒に食べることにより、美味しさのレベルはさらにグレードを上げる。ローラはあっという間に完食した。


「はぁ、美味しかった。ごちそうさま」

「相変わらず早いわね」

「これくらい早く食べないと間に合わなかったからね」

「あぁ、確かにそうね。でも、今はそんなに早く食べなくてもいいのよ?」

「えへへ、どうしてもこの癖が抜けなくて」

「しょうがないわ、長いことあの環境にいたんですもの。それに無理に直せとは言わないわ、あなたの食べてる姿見るの私大好きだし」

「そ、そうなんだ・・・」

「ところで・・・デザートも用意したんだけど」

「え、デザート?なになに?」

「それは、後でのお楽しみ」


結局デザートの正体は明かされぬまま夕食を終えた二人はお風呂に入り、寝る準備に入っていた。

布団を敷き終わったタイミングで、リアンがローラの方を向いた。


「お待たせ、デザートの時間よ。デザートは・・・ローラちゃんあなたよ!!」

「うげ、やっぱり!!」

「さぁ、今日も私と楽しい夜を明かしましょう!!」

「絶対にいやぁあああああ!!!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る