第3話 ネフライト

ローラ達が王宮から命令を受けた前夜、王国から少し離れた森にポツンとある小屋に一人の男が向かっていた。ここには指名手配されている盗賊団「ネフライト」のアジトがある。

男が小屋を軽くノックしボソボソとドアに向けて喋りだすと、小屋から人が出て来ると、そのまま中まで迎え入れられた。

小屋の中ではゲラゲラと酒を飲みながら笑う男が三人、椅子に腰を掛けている者が1人、そしてその人物の横に立っているものが1人の計5人が住んでいる。

用意された椅子に座ると、男が口を開く。


「明日、お前達のボスであるジェードが処刑される」

「そうか、我らがボスにもついにその時が・・・」

「だが、案ずるな。俺はボスを救う手段を見つけることに成功した」


そう言いながら男が腰に下げていたポーチから石を取り出した。

その石は禍々しいオーラを放ち、辺りを不気味に照らしている。


「こ、これは一体・・・?」

「これはリザレストーン、お前達にとってきっと役に立つものだ」

「どんな効果があるんだ?」

「これを対象の死後1時間以内に使えば、そいつを蘇らせることが可能だ」

「なんと素晴らしい!こんな素晴らしいものを手に入れて来るとはさすがは王宮兵士!!」

「身に余る光栄であります」


そう、この男は王城の兵士でありそして、ネフライトの潜入スパイであった。

彼は幼少期を貧困街で過ごしていたが、その時にネフライトの活躍を聞き入隊を決意。

今ではネフライトの指揮とサポートを行っている。

それ故に、今回ボスが捕まってしまった事にショックを受けていたが、そんなボスを救う為に彼は必死に動き伝説の存在であったリザレストーンを手に入れた。


「報酬は弾もう。おい、アレを持ってこい!」


そう言うと、横にいた男が箱を持って来た。

箱を開けると、中には大量の宝石や菌などが詰め込まれている。

その数実に数百個以上、値段に換算すると数十年は遊んで暮らせるほどの大金になる。

アジト内の全員のコップに酒を注ぐと、座っていた男は立ち上がり、酒の入ったコップを掲げて、叫ぶ。


「さぁ、祝おう!我らがボスが復活する前祝いだ!お前ら、明日の準備しっかり頼むぜ!!」

「「「おう!!!」」」

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